【時間とは…?】
「常識は便宜上、人間が作り出したもの。捉われることなかれ」ある方から昔そんな言葉を聞いた。
おおよそ人間が作り出した常識の中で、もっとも我々が囚われていると思われるものは何か?
自分にとってその答えは「時間」である。
1日24時間、1年365日という枠の中で人は生活する。
朝起きて夜眠りにつくまでこの営みは命果てるまで延々と続けられる。
だが、しょせん時間という概念も人間の便宜を図るために作り出されたものに他ならない。
1994年6月から10月にかけてアラスカ、アンカレジからカナダのケベックまでを自転車で走破した。
夏の北極圏(北緯66度33分)は太陽が沈まない。
いわゆる白夜(white nights)が続く。
沈まぬ太陽は東から西へと水平に移動する。
妙なものだが、我々文明人が生活する中で朝昼夜という感覚は非常に重要な意味を持っている。
太陽が沈まなければ、いつ朝が来ていつ夜になったのかがさっぱり分からないのである。
原始、人々がそうしていたように、腹が減れば何か食べ、のどが渇けば何か飲み、眠くなれば眠る。
当時仕事をしていなかった自分にとって、アラスカ北極圏での生活はそんな風にいともシンプルなものになった。
腕時計もしてはいたが時間を気にすることはほとんどなかったし、それまでいかに自分が時間に囚われた生活をしていたかがよく分かった。
「時間とはただ流れていくだけのものではない。蓄積されていく時間もある」真夜中の太陽(midnight sun)が照りつけるアラスカで、自分が悟ったのはそんな事実であった。
蓄積された時間が自分の人生となり、時代や歴史をつくっていく。
過去は永遠に現在を追い越すことはないし、過去が現在に戻ってくることもない。
過去は人々の記憶と記録の中に生きつづける時間。
人間以外の動物にはあまり過去や未来という概念はないのかも知れないが、人間は歳をとればとるほど過去にこだわるものなのだろう。
現在という時間を生きながら、未来を追い求め続ける。
現在とは未来を捕まえるためにある時間、と同時に蓄積された時間を過去にストックしていく営みのために存在する時間なのだろう。
個々の人間がこの世で与えられた時間は限られたもの。
どんなに長くても100年。普通にみても70~80年。
60年生きてきた自分にとってはせいぜい頑張ってあと20年程度。
両親の今の歳まで30年。100歳まで生きるためにはまだあと40年もある。
これまでの人生は決していいものだったとはいえないが、決して悪いものでもなかった。
全く後悔していない…というと嘘になるが、正直なところ、今の自分に多少の不満はあっても、決して自分が不幸であるとは思っていない。
この世での最後の瞬間に「いい人生だった」と言える人こそが真の成功者ではなかろうか。
蓄積された自分自身の時間を宝物と言えるかどうか。
ただやみくもに流され消えていった時間、追いかけることも取り戻すこともできない時間を悔やんでいるだけでは悲しいし、情けなくもある。
人生が1日で終わることはまずないけれど、1日も70~80年も結局のところ変わらないのだろう。
宇宙の歴史から見ればどちらも微々たるものなのだから。
時間に流されることなく、自ら時間をリードしていけるような生き方が理想だ。
いちいち時間を気にしながらせかせか生きるのではなく、何かに夢中になっていて、気がつけばあっという間に時間が過ぎてしまっていた、と思えるような充実した時間をこの世界で送りたいと思う。
(photo: 北極圏への入り口、アラスカ、ダルトンハイウェイ 1994年6月)
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- 2020/12/15(火) 21:23:42|
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【視点を変える】
「下手」と言うよりも
「努力が必要」と言おう。
「無理・できない」と言うより
「チャレンジしてみよう」「頑張ればできるかも知れない」と言おう。
「失敗した」と言うよりも
「成功が先延ばしになった」と言おう。
「辛い」「苦しい」と言うよりも
「人生にはこういう楽しみ方もある」と言おう。
「どうにもならない」と言うよりも
「何とかなる」と言おう。
「困った・ピンチ」と言うよりも
「これも次につながる1ステップ」と言おう。
「1000円しかない」と言うよりも
「1000円もある」と言おう。
足りないものに目を向けて不平不満を言うよりは、
今あるものに注目して満足する。
物事は
見方次第。
表現の仕方で状況も変わる。
思考パタンひとつで自分自身だけでなく、自分を取り巻く世界も、変わるし変えられる。
凝り固まった
見方・考え方を少し変えるだけでいいってこと。
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- 2020/10/28(水) 23:13:26|
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【Enough is as good as a feast】

走り続けている時には、喉を潤すための水分と空腹を満たすためのほんの少しの食料があればいい。
走って旅をすれば、その時その場で必要なものがあればそれで満足できるようになる。
足るを知ることができる…ミニマリズムの考え方が自然と身につけられるのだ。
必要以上に持たないことが実は大切なこと。余分にあるのであれば誰かとシェアすればいい。
奪い合えば争いが起こるけれど、シェアする(分かち合う)ことができれば仲間ができる。
同じ時代に生まれ同じ時代に同じ地球という惑星で生きている仲間を愛しく思えるように…。
僕らは一人じゃない。いつもたくさんの同胞仲間に囲まれているのだから。
曰く…「足るを知る者は富む」
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- 2020/07/02(木) 23:33:18|
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【アセラズアワテズアキラメズ】
いろんなことをやる中で、うまくいかないことも多々あるけれど、
急いては事を仕損じる…の言葉通り。
あせってしまったら本来の自分を見失いかねない。
あわてて先を急ぎすぎるとよけいにうまくいかなくなる。
目標を決めたらまずはあきらめないこと。
最後は一番いい形で終わる。すべて最後はうまく行く。
そんな根拠のない楽天的確信こそがハッピーエンドをもたらすのだと信じよう。
長旅の中で、何度も焦り慌てて仕損じたことがある。
気持ちがネガティヴならやることなすこと思い通りに行かないということだ。
当人は焦ったり、慌てたりしているつもりはなくても、
笑顔が消えてしまったり、顔がひきつったりしていたら要注意。
心と体は常に連動している。
言葉と行動も同じ。
日々の森羅万象に感謝感激感動。
ありがとう。うれしい。楽しい。幸せ。素敵。最高…。
言葉にすることが大事。
今この瞬間にさえも幸せを感じられるように…。
花のようにたおやかに、謙虚に…。
咲くべき時に美しく咲き、散るべき時に潔く散る…。
そんな自分でありたいと思う…。
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- 2020/06/25(木) 23:25:21|
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【受け入れる】

「いつか変わるだろう」と思っている内は何も変わらない。
「今変えてやろう」と思った瞬間に流れは変わるもの。
流れを変えるために、今自分にできる事を見つけよう。
努力しても変わらないものはそっと受け入れよう。
あきらめるのではなく、ありのまま、
あるがままに受け入れることも時には必要だから。
拒めば拒むほど嫌なことは自分に付きまとうもの。
いっそ受け入れてしまえば気も楽だ。
なぜ自分がそれを拒んでいたか、
それもあとになって分かるかもしれない。
世の中にあるものはすべて鏡みたいなものなんだろう。
自分の心が投影されて、やがて自分のところに帰ってくる。
あるいはそれはこだまみたいなもの。
きれいな声はきれいなまま帰ってくる。
ピュアな心のままの、ピュアな自分でありたい。
過去を捨てる覚悟を持って旅に出たはずだったけど、
実際は過去を捨てたのではなく、過去をありのまま、
あるがままに受け入れただけだった。
自分にないものばかりを求めていたけれど、
ないならないで済ませられることに気がついた。
今あるもので間に合わせられるということも教えられた。
余分なものをそぎ落とせば本当に必要な物が見えてくる。
生活がシンプルなものになれば、
生き方や考え方もシンプルでピュアなものに変わってくる。
走ることももちろんだけど、
それ以上に旅を通じて学んだことは多い。
旅も人生も、さまざまな出会いや発見、
気付きや学びに満ち溢れている。
だからこそ僕は生きて走って旅をする。
僕の未来はいつも地平線の向こうにある。
〜アドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦・談
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- 2020/05/23(土) 23:16:26|
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