KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

Into The Wild~荒野へ

【Into The Wild~荒野へ】 

Chris_McCandless 

Christopher・J・McCandless(1968-1992) 


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Every man dies. Not every man truly lives. 

誰もがみな死ぬ運命にあるけれど 

誰もが真に生きている人ばかりではない 


================================================================ 

冒険を志す者、あるいはチャレンジャー必見の映画…

「イントゥ・ザ・ワイルド」 

ジョン・クラカワーの原作「荒野へ」をベースにした映画。 

この話自体がノンフィクションで、舞台がアラスカということである。 

ショーン・ペン脚本・監督作品、エミール・ハーシュ主演のこの映画、主人公は、過去にちらっと話を聞いたことがある人物、クリス・マッキャンドレス。 

何一つ不自由のないエリート的生活に見切りをつけて、アラスカの原野へ。 

生きることの真髄を見つけるために、着の身着のままアラスカを旅する。 

危険を承知で、何もかも(お金も名前も学歴も)捨てて、大自然の中に飛び込む彼を人は無謀と言う。 

冒険とはそもそも無謀なところから始まる。無謀であることが前提で冒険は行われるものなのだ。 

旅を通じて未知なる世界に身を置き、真の自分自身と出会おうとする。 

さまざまな出会いは、時に彼を勇気付け、励まし、心から癒してくれるものになる。 

幸せとは誰かと分かち合ってこそ現実のものとなる、彼のその言葉を痛いほどしみじみと感じる。 

1994年、アラスカ北極圏を自転車で横断した自分自身がかつて旅した地、フェアバンクスや北極圏の自然が登場する。 

ヘンリー・デイヴィッド・ソーローに傾注し、自然に心の拠り所を求める。 

いくつかのサイトを調べていて、彼は自分の分身(あるいは、自分が彼の分身)なのだと思った。 



「自分の居場所を見失ったら、迷わず旅に出ろ」 

自分が人生で学んだことはそういうこと。 

若者よ、ニートや引きこもりになっている場合ではない。 

この映画を観て(あるいは原作を読んで)、何かを感じたら、即行動するがいい。 

向こう見ずで失敗ばかりしている自分ではあるが、荒野では、自分だけのたった一人のヒーローなのだ。 

この映画に勇気づけられたら、自分もまた考えてみる。 


「若い内、動ける内、生きている内」 

夢をかなえるための(ドリカム)3原則を今考えた。 


老病死はいつか必ず自分を捕らえにやってくる。 

クリスはそのことを恐ろしいほどに感じていたに違いない。 

その若さで、体が自由に動く時に、生の喜びを心から堪能すべきであるということを。 

肉体と精神の限界に挑もうとするのはアスリートの考え方。 

そして、生きることの真髄を真っ向から捉えようとするのは哲学者の生き方。 

心の中にあるものの全てを惜しみなく言葉にして語るのは詩人のあり方。 

高い志のもとに彼は生き抜いた。 

魂を捨てぬ限り、自分自身は滅びないという絶対の確信があったのだろうか。 



思考ばかりではだめなのだ。 

行動あっての人生。 

だからクリスも僕も旅に出た。 

行動から思考は生まれる。 

精神は肉体から創られる。 

そして、生命は魂から生まれ出る。 



今何が必要で不必要なのか、改めて考えなければならない。 

最小限主義(ミニマリズム)を貫く生き方を…。



Into the Wild - Trailer (映画の予告編:英語) 



Eddie Vedder - Hard Sun


 



「荒野へ」ジョン・クラカワー著 
Into_the_Wild 
  

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  1. 2017/07/11(火) 21:39:35|
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Never Give Up(自分をあきらめない)

【Never Give Up(自分をあきらめない)】




Rocky II - Gonna Fly Now




どんなに打ちのめされても…

前に進みつづける

決してあきらめずに



…「ロッキー・ザ・ファイナル」から




*******




1976年、「ロッキー」をスクリーンで見た時には、自分はまだ高校1年生だった。

通称「イタリアの種馬」、しがない4回戦ファイターロッキー・バルボアは、ある日チャンピオンアポロ・クリードと対戦することに。

老コーチのポーリーによる特訓で日に日に力をつけていくロッキー。心の支えとなる恋人エイドリアンがいればこそ、辛いトレーニングにも耐えていける。

リングで迎えた決戦当日、ロッキーは顔が腫れあがり目も見えない。普通ならノックアウトされてもおかしくない状況で、アポロは「これでもか、これでもか」とパンチを浴びせかける。よろめきながら、ふらつきながらロッキーはまだ戦い続ける。

そして最終ラウンド…。

何度打ちのめされても最終15ラウンドまで闘ったロッキー、判定では負けが下されたものの、アポロに対しても相当のダメージを与えたことは間違いない。

「エイドリアーン!!」

愛しい恋人の名を叫び、リング上で抱擁を交わす二人…。




*******




あれから30年あまりの歳月が流れた。シリーズ最後だったはずの「ロッキーV(5)」から四半世紀が過ぎて「ロッキー・ザ・ファイナル」が製作・上映された。

シルヴェスタ・スタローンことロッキーも今年67歳。いまだスタントなしでアクションをこなすスーパースターだ。



6年前、「ロッキー・ザ・ファイナル」のプロモーションで、東京を訪ねた彼がプレスを前にして次のようなスピーチをしてくれた。



人はどんなに年をとっても、胸の中に炎を持っていると思う。

しかし、社会はしばしばその炎を消し去ろうとする。

でも、その炎は延々と燃え続けていくもので、"Never Give Up"というテーマに続いている。

子供の頃、心に持っていたような炎を絶対に消すことなく、

人生のチャレンジに立ち向かうことを決して忘れてはいけないと思う。

若い頃のようなスピードはなくなるが、その分賢くなっているし、情熱も持っている。

生きるということにもっと情熱を傾けていくべきだと思う。




*******





大学時代、下宿していたアパートでステレオのタイマーでカセットテープをセットして目覚めるようにしていた。

朝、起きる時間が来ると、決まって「ロッキーのテーマ」が流れてくる。

「パッパーパカパーパカパーパカパ パッパーパカパーパカパーパカパ パーパカパーパカパパパーパーパー…」

金管楽器の音色で始まるこのテーマ"Gonna Fly Now"は、いつも辛い時・疲れた時の自分のテーマソングでもあった。

トライアスロンでもフルマラソンでも100キロマラソンでも、疲れてへたりそうになった時に、自ら鼻歌や口笛で弱い自分を鼓舞したものだ。

「チャチャーチャー チャチャーチャー チャチャーチャー チャチャーチャー チャララーラチャチャー…」


「意識があるうちは決してノックアウトなんかじゃない。意識がある内は闘える。立ち上がれ。そして闘え!」


ビル・コンティ・オーケストラの演奏はそんなことを自分に語っているかのようだった。


80年代にマラソンを始めてからも、サヴァイヴァーの「アイ・オヴ・ザ・タイガー」「バーニング・ハート」は走りながらよく聞いた。

いずれも映画「ロッキー」のテーマソングとなった。



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ボクシングの経験はないけれど、剣道は中学1年から大学卒業までずっとやっていたし、高校教師になってからもクラブの顧問となって生徒たちと稽古に励んでいた。

一番苦しかったのは大学1年の夏合宿。奈良市のユースホステルで9泊10日という長期にわたるもの。

元立ちといって稽古を受けてくれる先輩を相手に掛かり稽古をする。先輩は受けたり攻撃をかわしたりして一方的に受けに回るが、掛かって行くこちらは休みなく攻め続けていかねばならない。それが延々と30分間続くこともあった。

声が出ていなければなかなか終わらない。足がふらふらしてきたりすると足を引っ掛けて倒され、倒れた自分の胴の上に片足を乗せて起き上がれなくされたり、気合が入ってないとノドの部分に突きを食らって吹っ飛んでいったり(それで後ろ向きに倒れて脳震盪を起こした同輩もいた)…。

こちらからぶつかっていく体当たりが中途半端だと、かわされて横から押し倒されたり…。まるで相撲かなんか別の格闘技をやっているかのような気もしていた。

救急車で病院送りになって点滴を打ってもらうヤツ、飯もろくろく食えず衰弱して強制的に家に送り返されるヤツ、同級生の何人かは既にKOされて、自分を含め残った下級生がいつまでも激しい稽古を続けていた。

手にも足にもマメガつぶれた。足の裏に直径7~8センチのマメがつぶれ、その下の皮がまた一枚破れる。テーピングでカバーしてそれでもなお稽古は続いた。

「練習中には決して水を飲むな」と教えられた時代。夏場の面の中の温度は45度を超えるとも言う。普通だったら熱中症になっていただろう。それを精神力だけでカヴァーしていた。

30分の掛かり稽古のさなか、倒れてしまえば楽なのに…自分はなかなか倒れない。何て自分は強い人間なんだろう…と思ったことがある。

そんな時、いくらパンチを浴びても倒れないロッキーのことを考え続けた。彼は防具なんかつけずに生身のまま闘っていたんだ…と。



夢を一度実現したからといって、それで満足していたのでは駄目なのだ。生きている限り、夢は追い続けるもの、そしてかなえるべきもの。

あきらめぬ限り、こだわり続ける限り、夢はそこにあって実現されるのを待っている。

だから、自分から働きかけること。自らアクションを起こすこと…。



ロッキーは自分の中に、自分の分身として生き続けている。

常に忘れてはならない彼の教えは「ハングリー精神」。

自分の今ある現状に決して満足していてはダメなのだ。

一歩先に視線を向けて、進化する自分であろうと努めること。



辛い時・苦しい時に、自分を守ってくれる守護神として、僕は永遠に彼のことを崇め続けるだろう。


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ロッキー・バルボア、イタリアの種馬。

アメリカン・ドリームを実現し、今なおも実現しつづけるヒーロー…。



情熱の炎を持って生きていこう。

みんなのヒーローである前に、まずは、自分自身のヒーローになるところから…。



 

テーマ:★おすすめ映画★ - ジャンル:映画

  1. 2013/01/07(月) 17:42:53|
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映画「うたごころ」

【映画「うたごころ」】

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大阪府堺市にあるイオンモール北花田の3階イオンホールに行ってきた。

イオン 心をつなぐプロジェクト主催~ドキュメンタリー映画「うたごころ」2011年版全国チャリティー上映ツアーの一環として、いよいよこの映画が大阪で上映される日を迎えたのだ。



*あらすじ(「うたごころ」公式サイトから)

2011年3月11日に発生した、東日本大震災。未曾有の苦難が幾多の人々にのしかかる中、それに屈せず、ひたむきに生きる女子高校生たちの姿を描く、ドキュメンタリー映画がある。

現在も撮影を続けている「うたごころ~宮城・三陸/女子高校生たちの青春」。

宮城県で自宅を津波で失った女子高校生と、大阪のプロボーカリストたちが「合唱」を通して、人と人との”絆”を深めていく姿を描き出す




*映画についての詳細は「うたごころ」の公式サイトと数日前のKAY’S BLOG「復興支援は終わらない」で…。




参加費は1000円となっているが、収益は、岩手、宮城、福島の子どもたちを支える育英基金に全額寄付される。


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12:30PM開場の1時間以上も前に到着。

準備中の会場内に監督の榛葉健さんの姿を発見、約半年振りの再会。

あいさつをさせていただいた。


榛葉さんとは昨年、前作「with…若き女性美術作家の生涯」の上映会で初めてお会いした。

*その日のブログはこちら


その際も、JACC日本アドベンチャーサイクリストクラブ代表の池本元光さんと同国際部長の中西大輔さんらと同行。

がんを克服して18年がかりで地球一周の旅を続ける奈良県のサイクリスト、JACC評議員シール・エミコさんの取材を世界各地で10年間継続されてきているので、榛葉さんはJACCとのつながりも深い。

*この件に関しては中西大輔さんのブログでも触れられている。



その時も、作品に表れた感性の豊かさにずっと惹かれるものを感じていたので、今回も必ず素晴らしいものができあがるだろうと期待していたのだ。



開場までモール内をブラブラしながら時間つぶし。

12:20頃再度会場へ。

ホールの入り口までの通路では、南三陸町在住の写真館主・佐藤信一さん(写真集「南三陸から」はベストセラー)の写真展も行われていた。



この映画の前半を中心に登場している寺尾仁志さんとhuman noteは去年、PEACE RUNも関わっていた「ウタのチカラ」というイベントで初めて歌声を聞かせて頂いた。

総勢700名の合唱団(クワイヤ)を取りまとめるのが寺尾さん。

元々ゴスペルでメジャーデビューした経歴。

さすがに聞かせるべき歌とその声に秘められた魂を感じるソウルシンガー。

これまでにも阪神・淡路大震災のあった神戸や、バリ、ハイチやカンボジア、ケニアなど、世界各地の困窮地帯を訪ね、物資の提供のみならず、歌を通じて現地の人々を励ますといった独自の支援活動を展開してきている。

「うたごころ」製作の段階で寺尾さんがこの映画に登場するということを知って、何かまた不思議なつながりが生まれてきたように感じた。



映画上映の前にイオン気仙沼店の復興のドキュメンタリー映画が上映された。

いち早く被災地で食料品を販売し始め、地域と人々とのつながりを大切にしてきた流れ…。

その当時の様子は直接見ていないので分からないのだが、恐らくそれは敗戦直後の、かつて実際にあったはずの日本の姿そのままだったのではないか…。



そして、映画本編。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の約2ヵ月後、寺尾仁志さんはhuman noteのメンバーと共に東北へ向かう。

絶望的な光景…あらゆるものが一瞬にして津波の泥流に流され消えてしまったあとを目の当たりにして寺尾さんは絶句する。

避難所の小学校の体育館で出会った一人の女子高生…寺尾さんたちの歌に励まされ、今一度頑張ろうという気持ちに変わっていく。

家族とのつながり…家は失ってしまったけれど、家族だけは失うことはなかった。

命を懸けてでも家族だけは守る…と決意を新たにする彼女。

高校の合唱部に所属していた彼女、受験を前に引退も迫っていたが、最後のコンクールは中止となってしまう。

野外のお祭り広場が最後の発表の場となった。

彼女たちは力いっぱい歌う。

いろんな思いを込めて…それぞれの思いを何とか伝えようと、メッセージを歌に託して…。



映画に登場する人物は多くはない。

しかし、一人一人がいろんなところでつながっている。

家族・兄弟姉妹・親族・親類…そして友人たち…。

多くの命が失われ、そして一方では生き延びることができた人たちがいる。

主人公の少女は語る…

「当たり前の日常が当たり前じゃなかったんだ…」

ありふれた日常が一瞬にして別世界のものになるという経験…。

そして、彼女は語る…

「(生き残った)私たちはある意味『選ばれた』人たち…」。

失われた命の分までも生きていかなければいけないという現実…。

しかし、生きているからこそ希望や勇気を持つこともできる。

生きて生かされている…それは見えない力が働いているということもあるかも知れないけれど、今、同じ時代に生きている多くの人々に支えられているという現実にも関わっている。




絆、人と人とのつながり…。

個人の権利や主張ばかりが横行するだけで、人が人として持っている大切なものが見過ごされてしまいやすい時代…それが現在。

特に大きな街に暮らしていれば、個人は集団の中に埋もれ、お互いに干渉しあうこともなく、ともすれば人としてではなく、物と同じように扱われ、無視されるだけの存在にもなりかねない。



バブルという時代を経て、人々の価値観は変わってしまったのだろうか?



東日本大震災をひとつのきっかけにして、今、我々はリアルにつながっていかなければならない存在であるということを感じている。

この映画があらためてそのことに気づかせてくれたように思う。


どれだけ情報技術が進んだとしても、顔を合わせて目を見つめながら対話するというのは一番大切なこと。

メールよりは電話、電話よりは直接会って話すこと。

ハイテク技術の進化によって、今ある人間関係が希薄なものにもなりかねないような危惧感を持っているのは恐らく私だけではあるまい。





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榛葉さんは誰に対してもいつも穏やかなスマイルを浮かべ、人間味あふれる言葉で静かにそっと語りかけられる。

この作品も、その隅々まで榛葉さんの人柄そのものがにじみ出ているような気がするのだが…。



物事を冷静に見つめながらも、我々が考えなければならない課題が随所に提示されているのだろう。

人が人らしくあるために何を考え、どう行動に移していくべきなのか…

東日本大震災はそういったことを考えるべきひとつのきっかけだったのだろう。



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映画「うたごころ」の会場で購入したシネマブックに監督の榛葉さんからサインをもらうランニング仲間の宵さん。




今という時代に生きて生かされている私たちは、時々そういった大切なことも見失ってしまいがち…。

想像力の欠如がいろんな問題を引き起こす。

想像力を少し働かせるだけで、人はもっと感性豊かに生きていけるはず。

情報ばかりが先走って、リアルなコミュニケーションがなくなりつつある今、人の心を動かす歌を歌うかのように、私たちは対話を持つべきなのかも知れない。



今、生きているのは誰かに必要とされるため…。

どんな自分であっても誰かのためにできることがあるということ。

どんな方法でも構わないから自分らしいスタイルで、たとえ小さなことであっても、できることを続けていくべきなのだろう。



映画は最後に「未来へ」というキャプションで締めくくられる。

現在進行形ということでまだまだ物語は現実世界で続いていくわけだ。

「うたごころ」の「未来」を楽しみにしよう。



今週末、TOMOSU RUNで再び東北地方を訪ねる。

復興支援は終わらない…今も続いているのだということを、被災しなかった人たちに伝えながらも、今できることを続けていこうと思う。



榛葉さん、素晴らしい作品をありがとうございました。




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テーマ:東日本大震災支援活動 - ジャンル:福祉・ボランティア

  1. 2012/11/18(日) 23:59:59|
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映画「ノルウェイの森」を見る

【映画「ノルウェイの森」を見る】

*注意:村上春樹氏の「ノルウェイの森」の原作を読んだことがなくて、もし近日中に映画「ノルウェイの森」を見ようという方は、今日のブログは読まないで下さい。既に映画を見た方、原作を読んだことのある方は今日のブログを読んでいただいて問題ありません。

norwegian_wood



渋谷で映画「ノルウェイの森」を見てきた。

日本での公開初日が昨日で今日が2日目。日曜日なので立ち見が出るくらい混み合っているのでは…と思ったけど、実際行ってみたら空席だらけ。カップルが大半だったけど、男性一人という観客も結構いましたね。女性一人というのはなかなかいなかったけど、そういう若い女性がいたら、思わず声をかけたくなるかな…???


映画は…。

一番強く感じたのは、この映画の監督トラン・アン・ユン監督がベトナム人ということもあって、インターナショナルな視点はあったのかも知れないが、日本人の感覚とはまた違った原作のとらえ方がされていたように思う。

小説そのものは国籍に関係なく楽しめるものなんだろうけど、日本人のための物語であるとしたら、もっと登場人物それぞれの微妙な思いが表現されて、より繊細な恋愛物語に仕立て上げられてもよかったかも知れない。原作者村上春樹氏はいったいどう思っているのだろう?

ワタナベを演じる松山ケンイチはじめ若い役者たちは一生懸命に演じてた。菊池稟子も直子になり切ってた。緑役の水原希子も初々しくって70年代のギャルって感じでよかった。

ただ、原作のインプレッションがあまりにも強かったので、ビジュアル化してしまえばどこかでひずみも出てくるし、原作に忠実には映画化したように見えても、各人物の心の動きを表すには何か物足りないものが出てくる。それは当然のことなんだろうけど…。

これは原作とは切り離して見るべき映画なのか…。

原作ではもっとレイコさんの人柄や直子との関係が深く描かれていて、そのバックグランドがあったおかげで、この映画の最後でもワタナベとの関係が生きてくるはずなのに…。

ワタナベと緑の関係も、直子とワタナベの関係をうまく対比させて喪失と再生がバランスを保っている。

誰かにとって欠けてしまったものを補うべき存在がはっきり分かっているから、それなりに安心できるシチュエーションとなる。

ワタナベ自身自我が確立されていないから、直子の世界に引っ張られつつも、天真爛漫な緑というナビゲーターがワタナベをうまく救済するためにいい働きをしているのだ。

もうひとつ…。

原作の始まり…フランクフルト行きの飛行機の中でビートルズの「ノルウェイの森」が流れてくるところから原作は始まっている。

あの時点で、歳をとってしまったワタナベは一体どんな生活をしているのか…。

恐らく緑とも訳あって離れ離れになって、すべては過去で失われたものとして機内で回想に浸っているのではなかったか…。

あの飛行機の中の場面も実は重要なシチュエーションだと思うのだけれど…。

映画が単独のものとして見ればそれなりには楽しめる作品かも知れない。

すぐれた原作ゆえに、どんな映画にしても完璧なものはできっこない。

これは仮に村上春樹氏が監督をしたとしても同じ結果になっているだろう。

読み手が感じるままに感じ取れる小説のままであるのが一番なのだ。

村上氏がこれまでほとんど映画化というものを好まなかった理由がそこにあるのだと思う。



自分自身が好きなのはラストシーン…。

緑との電話で、緑が「ワタナベ君今どこにいるの?」と聞かれて、「今僕はどこにいるのだ…」とワタナベが自問自答する。

あの時点でもワタナベは、まだ自我に目覚めきれず、彷徨しつづけている。

自我を冷静に見つめることが怖くて、大人になりきれない、大人になることを拒み続けるピーターパンシンドローム(症候群)ゆえに、ワタナベは絶えず混乱し、緑と電話しているはずが、直子でも緑でもレイコさんでもない、誰でもない顔のない虚構の人物と対話しているワタナベが受話器を持ったまま映画が終ってしまう。

そして僕は途方に暮れる…。今までの自分は何だったのだ…と自我を否定する自身の脆さ…。



本当に純粋であろうとするのなら、何も求めなくてもいいのだ。

いろんなところでいろんな人間と特別な関係を築こうとするから話は複雑になる。

それでも人は人を求める。

ナガサワがいわば事務的に、かつ機械的に誰かと一夜をともにしたくなるように…。むなしさと引き換えに刹那の快楽を求めるのも然り。

ナガサワの恋人ハツミも、スワッピングをしたというナガサワの話しから、ワタナベに「なぜそんなことをするの」と問い詰める。ナガサワにとってはゲームでしかない。

ワタナベもできるならそんなことはしたくない。

本来は禁欲的に生きるべきはずのワタナベさえ欲望に流されてしまう。

恋愛とは欲望を満たすだけのものではないと思いたいが、もっと違った意味での恋愛は確かにあるのだろう。

お互いに欠けているものをお互いが補い合える関係…喪失と再生がそこにはあって欲しい。

若さゆえに肉体の快楽を補い合うだけの恋愛ではもはや物足りないと思える自分は、それなりに成長してきたのだろうか…。

あるいは十分に汚れ切ってきたからこそ、より純粋であろうと思えるようになったのだろうか…。

23年前に読んだ原作をまた読んでみたくなった。あの時感じられなかった何かを今は感じられそうだし。あの時感じた何かが、今はもう感じられないのかも知れないし…。

人の心も結局は流動的なもの。

「放っておいても人は死ぬし、人はセックスをする」

何かの小説で村上氏が語った言葉は言い得て妙であるが、紛れもない事実なのだ。




テーマ:映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/12/12(日) 21:41:35|
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燃えよドラゴン

【燃えよドラゴン】

1973年12月、大阪ミナミの映画館に「燃えよドラゴン」を見に行った。

ブルース・リーの名前を初めて知ったのもこの映画だった。

「アチョー」という奇声(怪鳥音と呼ばれる)、華麗なフットワーク、見事なヌンチャクさばき、鍛え抜かれた鋼のような肉体…この映画を見た後に、彼がこの世の人ではないということを知った時は、たとえようもないショックを受けたのを覚えている。

ハードボイルド、クールでタフな彼の生き様が彼のアクションにもにじみ出ていた。

どこか憂いを帯びた瞳は、敵に向かう時には炎のごとく熱く燃える瞳に変わる。

中学時代から30代半ばまでずっと剣道をやってきたが、本当は空手をやりたいと思っていた。ブルース・リーに憧れていたからだ。

強い男になりたい…今もその気持ちは変わらないが、わずか32歳で亡くなった彼の生き様に心打たれるものがある。彼の映画をほとんどすべて見てきたが、時折彼のことを思い出すたび、男とは常に命を懸けて闘うべき存在だと悟るのである。

死語36年の歳月が流れた。今生きていれば68歳になる。

彼のことを調べている内に、ブルース・リーとの交流があり、昔活躍していた倉田保昭が今も健在であることを知る。今も映画俳優としていくつかの映画にも出演、一方で大学教授の肩書きがあったり、子供たちの空手教室をやっていたり…自身のオフィスも経営しているようだ。

初めて見た「燃えよドラゴン」は衝撃的だった。肉体が武器になるということをこの映画で思い知らされた。

7月20日が来るたびに、「鍛えなおさなければ…」と思わされる。心も体も強くあらねばならぬのだ。





Enter the Dragon theme



FIST OF FURY ドラゴン怒りの鉄拳・・・柔道家と勝負-MAT-BRUCE LEE



bruce lee vs. chuck norris



Enter The Dragon - Highlights

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  1. 2009/07/20(月) 23:59:59|
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プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
冒険家:アドヴェンチャー・ランナー、NPO法人“PEACE RUN”代表、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー
旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。

大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト
「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」
“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。

プロフィール詳細はこちら

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。

2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。

2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。

2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。来年の「PEACE RUN2018ヨーロッパランニングの旅PART2」に備える。


2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。

2013年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。


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