【幸福とは…】
Happiness is only real when shared
(幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ)
映画「イントゥ・ザ・ワイルド」で 主人公クリス・マッキャンドレス(エミール・ハーシュ)が最後に語った言葉
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あの映画で、自分は主人公クリスとほぼ同じような体験をした。
一度目はアメリカ大陸横断、彼はヒッチハイクで、自分は自転車で。
彼はクリス・マッキャンドレスという名前を捨てアレグザンダー・スーパートランプと名乗り、自分はKAYという名前で、旅を続けた。
1991年、自分が中西部の大平原を走っていた頃、彼はヒッチハイクで移動したり、コロラド川を下ったりしていたのだろう。
そして、二度目の冒険、アラスカの原野に旅立つ。彼は1992年5月、自分は1994年6月に、アラスカを訪ねている。
アラスカ、フェアバンクスの町もたびたび映画に登場するが、見覚えのある場所が出てきて、自分が訪ねた記憶は今も鮮明に残っている。
さまざまな出会い…そう、旅に出会いは欠かせない。出会いがあるからこそ旅は素晴らしいものになる。
映画の中で、クリスは様々な人々と出会い、語らい、友好を深めていく。
その人の中に潜んでいた一番人間らしい部分を、交流を深めていく中でクリスはいとも簡単に探り出していく。
Into The Wild Music Video #1 - Tracy's Song
to have the wisdom to love them back
恋心を持って近づいてきた16歳のトレーシーにも、異性としてではなく一人の人間として接している。
Into The Wild "God's light and forgiveness"
83歳のロンでさえ、クリスの不思議な魅力に惹きつけられ、「養子にならないか」とまで言い出してしまう。別れのシーンでは思わず涙ぐむ。
JOURNEY'S SONG (INTO THE WILD)
彼は、何よりも自由と孤独を求めて旅に出る必要があった。束縛されることなく、文明と呼ばれるものを拒み、ただ大自然の中でありのままの自分で生きることが彼に課された使命だったのだ。
into the wild and brother bear
偽りの自分自身を抹殺し、精神の革命を成し遂げるために…。
Into the Wild Tribute
文明に毒されないように…たった一人で大地を歩く。
自然に同化されることを心から求め、旅立つ人がいる。自分が自然に回帰すべき存在であることを本能的に悟る人である。
どんな危険があろうとも、それを恐れることなく、常に自然とともにあることを心から喜べること。
人が人として喜べることは何か、それは自分自身がこの世に創り出された魂の仮の姿であるということ。魂は役目を果たせば自然に帰り、そしていつかまた戻ってくる。
この映画から学んだこと…それは自分がこれまでの旅を通じて学んできたことでもある。
人はシンプルに生きるべきであるということ。
完全に自立すること。そして誰かの支えになれること。
自分にルールを作り徹底すること。
だが、それは束縛と呼ぶべきものであってはならないこと。
自分を動かしている大きな力の存在を常に意識すること。
辛いことがあってもそれを試練と捉えること。
弱い自分から逃げないこと。
幸せは自分が意識しない時に自分の内にあるということ。
【人を育てる】
王監督引退の知らせを聞いた。
昭和の野球界においてスーパースターといえば、まずON(王・長嶋)。
長嶋引退後もOH(王・張本)の時代があった。
昭和・平成と半世紀以上もプロ野球界にいて、人徳者としても知られる王さんが引退をする。
アマチュアには引退がないが、プロには引退がある。
引き際が肝心…とはよく言われること。
最近でも、相撲協会理事長を引責辞任した北の湖親方、政界から引退すると宣言した小泉元首相と、いろんな人が第一線を退いていく。
その世界での影響力や貢献度が大きければ大きいほど、多くの人に惜しまれて辞めていく。
あるいは、ただ権力の座に就くだけでさほど貢献もせずに辞めていく者も…。
教職についていて、人を育てることがいかに難しいかということを思い知らされる。
問題を起こしたり、人の話を理解せずに、気分や感情だけで動きがちな生徒たち…。
感情を抑え、理性的に教え諭すことが大切だと分かっていても、こちらも人間。ついつい感情が入ってしまうことも(私自身も相当の未熟者ではあるが)…。
コミュニケーションが何よりも必要だ。
それも、徹底的に話を聞いてやる。こちらが話をするのは、彼/彼女が言いたいことをすべて言ってしまってから。
同僚の中には、一人の生徒に3時間も4時間も話を続ける者がいる。
その忍耐力には恐れ入ってしまうが、相手が話を理解できるまでは決して話をやめない・妥協しない。
これもまた教育なのだ。
間違ったことを間違っていると教えること。そして、なぜそれが間違っているのかを話して聞かせること。
「ちょっとぐらい…」と思って間違った行動に走る者がいる。
たとえちょっとでも悪いことは悪いこと。
大の大人が間違ったことを平気でするような事件も世間では起きている。
子どもも大人の真似をする。いいことも悪いことも…。
そして、いいことをしたら思い切り褒めてやる。人は褒められて決して悪い気はしない。
教育の現場ではありとあらゆることが起こりうる。
日々、頭を悩ませながら、成功もするし失敗もする。むしろ失敗の連続の方が多いのだが…。
「俺はやっぱり教師になんか向いてないのではないか…」
そんな風に感じることもしばしば。
20年以上教師をしてきても、時代の流れとともに子どもたちの様相も変わって来る。
25年前、初めて教壇に立った時に教えていた生徒たちが、今高校生を持つ父親や母親になっているのだから。
人を育てる…親という仕事(職業ではないが)もまた同じ。子どもたちの一番身近にいて、「しつけ」というものを施すべきポジションにいる大人たち。
離婚した関係でたった7年しか父親を経験できなかったが、子どもというのは親次第でもどうにでもなるものだと思わされた。
可愛がるだけでは親ではない。教えることで自分自身も学ばなければならない。
「親は子の鏡」と言われるように、親のあり方そのものが子どもにそのままコピー&ペーストされるもの。
「この親にしてこの子ありき」と言われるのも最もなことなのだろう。
教育者の端くれとして、教育の現場にいるけれども、いまだに毎日が試行錯誤なのである。
子どもたちも生身の人間であるがゆえに、その時々でいろんな顔を見せる。性格も個性も様々に異なる。
そんな多様性を受け入れながら、カンと経験を頼りに「当たって砕けろ」的な日々を送っている。
自分自身忙しすぎて、誰かに相談したりという時間もほとんど持てない。
同じ教員をやっていて、うつで退職したり入院したりした仲間も何人か見てきた。
そう、教師とはある意味孤独な職業かもしれない。
自分を犠牲にする覚悟でなければ、人は育てられないのだろう。
聖職者と言われる所以(ゆえん)である。
だが、教え子たちが、10年20年経って再び会いに来てくれた時に、その立派な姿に感動させられることもある。
自分が蒔いた種が美しい花を咲かせた時のように、この上なく嬉しい気持ちにさせられるもの。
恐ろしいほど時間はかかるけれど、結果が出るまではじっと辛抱しなければならないのだろう。
教師という生き方(あえて「職業」とは呼ばない)は、人を教えることを通じて、自分自身を成長させる道。
自分は決して人格者ではないが、真理を追究する求道者ではありたいと願っている。
教えている人間に教えられる、その教えこそ尊いのだと思っている。
*******
大抵の人間は他人の短所と自分の長所を比較している。
それでは人は伸びないし育てられない。
人間は自分の短所と他人の長所を比較することで
自分の課題が見えてくるもの。
「何くそ」と思う気持ちが向上心。「まあいい」と思う心に進歩なし。
【ドリ・カム三原則:夢をかなえるための3つの原則】
若い内 生きている内 動ける内
As long as you're young, alive and active...
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20代の頃にはとことん体を鍛えた
30代の頃にはとことん精神を鍛えた
40代の今はとことん忍耐を学んでいる
やりたいことができている人はいいだろう。
やりたいことがなかなかできないのであれば、そのチャンスを自ら作り出すしかない。
若い内に…といっても自分自身が若いと思えばそれでいいのだ。
サミュエル・ウルマンの詩ではないけれど、たとえ50、60、70、80になっても、
自分が若いと自負するのなら若いのだ。
生きている内に…当然のことながら死んでしまってからでは何もできない。
動ける内…体力は残っているか?何かをやろうと思いつつ、体が言うことを聞かなければ行動は起こせない。
あとは意志の力だろう。
意志があるところに道は開ける。
意志がなければ、時間に流されるだけの人生で終わってしまう。
夢をかなえることは決してたやすいことではない。
しかし、一度かなえてしまえば、また新たな夢がきっとわいてくることだろう。
夢を追いかけて、夢をかなえる人になる。
あきらめなければ夢はかなう。
夢がかなうまで
夢を追いかけてみよう。
POCO / Follow Your Dreams
勇気を与えてくれる言葉と音楽を…
テーマ:スピリチュアル・ライフ - ジャンル:ライフ
【夢の荒野へ】
Ballad of Chris McCandless by Ellis Paul
昨日のブログでもとりあげた「イントゥ・ザ・ワイルド(Into The Wid)」。
今封切られている映画を見たいと思ったが、名古屋や西宮まで行く時間がない。
その代わりに、Amazon.comでJohn Krakauer(ジョン・クラカワー)のペーパーバックスと、その翻訳本と、映画のサウンドトラックのCDをオーダーした。
ウィキペディアの英語ページで映画のモデルとなった人物クリス・マッキャンドレス(Christopher McCandless)なる人物を検索してみた。
彼が最期を遂げたのは、アラスカ州フェアバンクスのデナリ国立公園内スタンピード・トレイルだったということが分かった。
さらに、エリス・ポール(Ellis Paul)というシンガーがクリス・マッキャンドレスに捧げるためのバラード曲を書いていることも分かった。
このCDも即オーダーして、エリスのサイトにあったその曲の歌詞も翻訳してみた。
男は、いったん旅に取り憑かれたら、松尾芭蕉や種田山頭火のように、すべてを捨てて、一生を放浪の旅に捧げてもいいとさえ思うようになる。
道祖神の誘惑に誘われるようにぶらっと旅に出る。
大地との一体感が必要なのだ。
大いなる自然に包まれて、人は限りなくピュアになれる。
欲望を捨て、何からも束縛されることなく、果てしなく自由になれる。
そこにはまだ見ぬ真の自分自身が待っている。
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The Ballad of Chris McCandless
(クリス・マッキャンドレスに捧げるバラード)
Written and sung by Ellis Paul
スマイルを浮かべながら
ハイウェイに現れた
破れたジーンズに身を包んだ不思議な男
青年は徒歩の旅に出るために
トラストファンド(信託基金)を捨てた
この国をヒッチハイクで横断したのだ
バックパックを背に
頭を夢で一杯にして
間違いなく彼は
大地の声を聴いたのだ
大地の声を…
(Chorus)
時として彼は言う
「コンクリートがじわじわと
迫ってきてるように感じないか?
地平線をレンガで固めているんだ」
彼は愚か者の財宝を
探し求めていたのか
あるいは
世界の果てに続く
ぬかるみの道を歩く
聖人だったのか?
クリス・マッキャンドレスと
ヒッチの旅をした
夢に見た荒野に
足を踏み入れたんだ
サウス・ダコタの地平線
穀物の実りが一面に広がる
埃っぽいサイロでは
収穫の作業が見られた
僕らはカリフォルニアから
ヒッチで来たんだ
でも彼は
実の名前を明かさなかった
これまでどんな過去を
振り切ってきたのかも
語らなかった
僕らも皆
何かを振り切っているものさ
(Chorus2)
時として彼は言う
「テクノロジーがじわじわと
迫ってきてるように感じないか?
地平線に塔を建ててているんだ」
彼は愚か者の財宝を
探し求めていたのか
あるいは
世界の果てに続く
ぬかるみの道を歩く
聖人だったのか?
クリス・マッキャンドレスと
ヒッチの旅をした
夢に見た荒野に
足を踏み入れたんだ
(bridge)
石…小道…ガラスの川
夜空…
たとえどこにいても
星が見えるかい
たとえどこにいても
壊れたスクールバスの中で
クリスは見つけられた
アラスカ山脈のど真ん中で
ハートが鼓動を止めた時
旅は終わりを告げる…
僕らの時間とは
かくも儚く過ぎていくもの
彼は愚か者の財宝を
探し求めていたのか
あるいは
世界の果てに続く
ぬかるみの道を歩く
聖人だったのか?
クリス・マッキャンドレスと
ヒッチの旅をした
クリス・マッキャンドレスと
荒野に足を踏み入れたんだ
クリス・マッキャンドレスと
生きていることを実感したんだ
夢の中で
はっきりと目覚めたんだ
夢の中で…
(Japanese Translation by Kay)
*こちらで英語の歌詞が見れます+試聴できます
*Ellis Paulのウェブ・サイト
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【Into The Wild~荒野へ】
Christopher・J・McCandless(1968-1992)
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Every man dies. Not every man truly lives.
誰もがみな死ぬ運命にあるけれど
誰もが真に生きている人ばかりではない
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どうしても観たい映画がひとつできた。
「イントゥ・ザ・ワイルド」
ジョン・クラカワーの原作「荒野へ」をベースにした映画。
この話自体がノンフィクションで、舞台がアラスカということである。
ショーン・ペン脚本・監督作品、エミール・ハーシュ主演のこの映画、大阪や地元の三重では上映している映画館がない。
愛知県名古屋周辺か神戸三宮まで出向く必要があるということ。
インターネットで情報を仕入れてみた。映画の予告編も目にした。
過去にちらっと話を聞いたことがある人物、クリス・マッキャンドレス。
何一つ不自由のないエリート的生活に見切りをつけて、アラスカの原野へ。
生きることの真髄を見つけるために、着の身着のままアラスカを旅する。
危険を承知で、何もかも(お金も名前も学歴も)捨てて、大自然の中に飛び込む彼を人は無謀と言う。
冒険とはそもそも無謀なところから始まる。無謀であることが前提で冒険は行われるものなのだ。
旅を通じて未知なる世界に身を置き、真の自分自身と出会おうとする。
さまざまな出会いは、時に彼を勇気付け、励まし、心から癒してくれるものになる。
幸せとは誰かと分かち合ってこそ現実のものとなる、彼のその言葉を痛いほどしみじみと感じる。
1994年、アラスカ北極圏を自転車で横断した自分自身がかつて旅した地、フェアバンクスや北極圏の自然が登場する。
ヘンリー・デイヴィッド・ソーローに傾注し、自然に心の拠り所を求める。
いくつかのサイトを調べていて、彼は自分の分身(あるいは、自分が彼の分身)なのだと思った。
「自分の居場所を見失ったら、迷わず旅に出ろ」
自分が人生で学んだことはそういうこと。
若者よ、ニートや引きこもりになっている場合ではない。
この映画を観て(あるいは原作を読んで)、何かを感じたら、即行動するがいい。
向こう見ずで失敗ばかりしている自分ではあるが、荒野では、自分だけのたった一人のヒーローなのだ。
この映画に勇気づけられたら、自分もまた考えてみる。
「若い内、動ける内、生きている内」
夢をかなえるための(ドリカム)3原則を今考えた。
老病死はいつか必ず自分を捕らえにやってくる。
クリスはそのことを恐ろしいほどに感じていたに違いない。
その若さで、体が自由に動く時に、生の喜びを心から堪能すべきであるということを。
肉体と精神の限界に挑もうとするのはアスリートの考え方。
そして、生きることの真髄を真っ向から捉えようとするのは哲学者の生き方。
心の中にあるものの全てを惜しみなく言葉にして語るのは詩人のあり方。
高い志のもとに彼は生き抜いた。
魂を捨てぬ限り、自分自身は滅びないという絶対の確信があったのだろうか。
思考ばかりではだめなのだ。
行動あっての人生。
だからクリスも自分も旅に出た。
行動から思考は生まれる。
精神は肉体から創られる。
そして、生命は魂から生まれ出る。
今何が必要で不必要なのか、改めて考えなければならない。
最小限主義(ミニマリズム)を貫く生き方を…。
Into the Wild - Trailer (映画の予告編:英語)
Into The Wild O.S.T - Eddie Vedder - Hard Sun - Music Video
Into The Wild THE REAL Chris Mccandless christopher
*映画のサウンドトラックはこちら
*「荒野へ」ジョン・クラカワー著
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【地球元気村】
地球元気村村長・風間深志氏は知る人ぞ知るバイクで北極点と南極点に到達した冒険家。
第4回パリ・ダカールラリーに日本人で初めて出場。インターナショナル500ccクラスで優勝、総合18位の成績を収めたり、アフリカ最高峰キリマンジャロ、南米最高峰アコンカグアや世界最高峰エベレストへのバイクでの登攀など数々の冒険にチャレンジしてきた輝かしい経歴の持ち主。
その彼が、1990年に山梨県に最初の地球元気村を開設した。以後18年、全国各地に地球元気村を開設しつづけ、今日に至っている。
関西のサイクリストにはおなじみの曽爾高原で地球元気村のイヴェントが行われる。
「人の元気は地球の元気 地球の元気は人の元気」をキャッチフレーズに、
食と農(みのり)のフェスティバル、自然体験フェスタ、風間深志講演会「大自然 生命」、トリムツーリングなど盛りだくさんのメニューで、9月20日と21日の2日間にわたって、曽爾高原ファームガーデン、国立曽爾青少年自然の家とその周辺で実施される。
この両日、顧問をしているテニス部の公式戦があるため参加したかったが見送り。
バイクや冒険が好きな人には、ぜひ参加してもらって風間氏の講演を聞いてもらいたい。
地球環境を考え、いろんなNPOやNGOが活動しているが、地球人の一人一人が自ら環境に働きかけることをしなければ、地球温暖化もどんどん進行していくのだろうし、未来に待っているのは今よりもひどい状況でしかない。
自分自身の健康も、地球の健康も、意識することから改善が始まる。
イベントに参加することで意識を高めるのもいいことだと思う。
曽爾高原も、もうしばらくすれば一面に広がるススキが見ごろになるだろう。
長らく遠ざかっている我が愛車ルイガノとのランデブー。
曽爾高原で復活するか否か…。
開催案内(PDF)
開催要項(PDF)
地球元気村
地球元気村in曽爾
写真:昨年の曽爾高原ソロツーリング(2007年8月)
テーマ:ひとりごとだよ。独り言。(-〟ゝ-)ゞ - ジャンル:日記
【超短篇小説:Tender Awakening】
日曜の朝10時ゆっくりとまぶたを開け、東に面した窓からたっぷりと日ざしがこぼれているのを確認する。
夕べは最後の書類の一枚を点検して、パソコンの電源を落としたのが午前3時。
眠い目をこすり、睡魔と闘いながらも、何とか校正を終えた。
BGMに流していたティエリー・ラング・クインテットのCD。
昨年の誕生日にジェシカがくれたもの。
もう何度も何度も耳にした。カーステレオのハードディスクにコピーして、あるいはi-podにもダウンロードして、家でも車の中でも、職場でも、あるいはジョギングの最中にも…。いつでも、どこででも聴けるように…。
ジェシカはもういない。
寝室の枕元に置いたフォト・フレームの中で、優しく、そっと微笑んでいるだけ…。
最後に聞いた言葉は何だったっけ?
「いってらっしゃい…ヒゲは剃り残しちゃ駄目よ」
確かに、剃り残されたヒゲを確認するように、自分のアゴをなでながらジェシカはそう言った。
東部出身のエリートにふさわしく、ひとつひとつの言葉に魂を込めるかのように、彼女の唇からこぼれ落ちて、僕の耳元に届く言葉は、いつもソフトで、どこかメロウなものだった。
ティエリー・ラングのピアノが涙を誘う。
ジェシカも良く口ずさんだメロデイ。
勝手に適当な歌詞をつけて…それに合わせて僕が口笛で伴奏する。
バーボンウイスキーのグラス傾け、ほろ酔い気分で、ジェシカの笑顔がきらきら輝いていた。
ジェシカがいなくなった後も、そのメロディは変わることなく僕のハートに響き続ける。
彼女のヴォーカルは、僕の耳にこびりついてしばらく離れそうにない。
そして、僕はひとり、口笛を、優しくそっと奏でながら、フォトフレームの中でスマイルを浮かべる彼女にキッスを贈る。
乾いた心に、しっとりとしたメロディがしみ渡る。
すべて、時間が消し去ってくれるだなんて、誰が言ったんだ?
僕は信じない。
目に見えないものをじっと見つめ、
耳で聞こえないものに耳を傾け、
ハートと魂で感じ取るものだけを感じる…。
「人間なんてそんなものよ」
ジェシカの口ぐせだったその言葉を、
僕は信じよう。
人間臭くたっていいじゃないか。
あるべき姿で生きていければいいんだよ。
ピアノとベースとドラムスと、あとサックスがあれば、世の中はすべてうまく行くもの。
そう、世の中なんて、きっとそんなもの…なのだ。
(the story inspiered by "Tender Awakening" of Thierry Lang)
Refection Ⅱ / Thierry Lang Quintet
テーマ:下手な短編小説ですが・・・。 - ジャンル:小説・文学
Author:KAY(高繁勝彦)
冒険家:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。
大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。
楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」と“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら。
二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅、「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。
2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。
2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。
2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。来年の「PEACE RUN2018ヨーロッパランニングの旅PART2」に備える。
2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。
2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。
2013年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。
ご意見・ご感想お待ちしております。
地球にいいことしませんか?
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PEACE RUNテーマソング “Go The Distance”収録
PEACE RUNサポートソング “My Goal”収録