旅にあるから
旅人である
背中丸めて
飄々(ひょうひょう)と
風の吹く
【飽くなき平和への追求】
ドイツの作家で医師でもあったカロッサは、第1次大戦に従軍して『ルーマニア日記』を書いた。軍医として人と戦争を冷静に見つめた日記を読んで、ある一節に傍線を引いたことがある▼それは一人の兵が、「無意味な榴弾(りゅうだん)の爆発のためにたちまち破裂してしまうようなものが、どんな精神的統一体だというのだ?」と、人間のはかなさを嘆く言葉である(高橋健二訳)。尊厳にみちた精神と肉体が、わずかな火薬で粉々に消える――。深い嘆きは、戦争という虚無への呪いでもあっただろう▼その一節を、イスラエルの文学賞、エルサレム賞を受賞した村上春樹さんの記念講演で思い出した。村上さんは人間を「壊れやすい卵」にたとえた。パレスチナ自治区ガザへの攻撃などで失われた命に、「割れた卵」を重ね合わせたようである▼透き通るような殻に、人を人たらしめるものが詰まっている。それが比喩(ひゆ)のイメージだろう。卵を砕く体制のことは「壁」になぞらえた。「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調したそうだ。そう、割れた卵は二度と元に戻らない▼イスラエルによるガザ攻撃では1300人が死亡した。受賞辞退を求める声も出たが、「沈黙より、メッセージを伝えることを選んだ」という。表現者としての重い決断だったに違いない▼殻より薄い皮膚に包まれた命を思えば、人が武器を向け合うむごさに想像の至らぬはずはない。村上さんの言葉が、憎悪の連鎖を断ち切れない大地に深く染みていってほしいと願う。
(「天声人語」朝日新聞2009年2月19日付)
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毎日毎日、殺人事件や強盗・窃盗などの悲惨極まりないニュースが絶えない。
ニュースメディアが騒ぎ立てることで、よけいに犯罪の質もレベルも悪化しているかのような感もある。
そして、世界各地で起きているテロや紛争もしかり。
パレスチナとイスラエルも延々と平行線をたどるだけで、一向に埒(らち)が明かない。
なぜ、人は皆こうも闘争本能が旺盛なのかという気にもさせられる。
ひょっとして、双方、争うことを楽しんでいるのだろうか?
ジョン・レノンの「イマジン」を聴くたびに、国や国家、宗教や人種なんてどうでもいいじゃないかと思ってしまう。
偏見が差別を生み、差別が殺人や強盗などの犯罪を生み出す。
人の痛みが分かるなら、自分がされたくないことは誰にもすべきではない。
ごく単純な、小学生にも分かること。
個人のエゴが国家のエゴにまで発展して一体何になるのだ?
心静かに、気持ちを落ち着けて、平和を享受する時間…これはいつの時代であっても、どこにいても、どんな人間であっても平等に与えられるべきもの。
ガザ地区で失われた1300人ものパレスチナ人の命は二度と帰らない。
村上春樹氏がエルサレム賞の記念講演で「卵の殻」のメッセージを送ったことは立派だった。
彼も、内心では、怒りのパワーがマックスに達していたのであろう。
行動ではなくメッセージで、その怒りを示したことは素晴らしいし、一作家としてではなく、ひとつの命をもった人間としての発言であったことがなお素晴らしいと思う。
旅を通じて、走ることを通じて、自分自身もささやかながら平和を訴えてきたつもりだ。
日本人ではあるけれども、いったん国外に出れば、自分も一人の「地球人」であるという見方が大切なのだ。
平和とは何なのか、平和を希求するひとりひとりの思いをどんな形で実現すべきなのか、永遠のテーマとして考えていかねばなるまい。
この世界に遍(あまね)く愛を…。
ヴァレンタインのチョコも決して悪いことではないのだろうけれど、それよりも、平和を世界中にアピールできるための記念日が必要だと思う。
自分の一生を平和にする為には心を静かにすることが必要だ。
武者小路実篤「幸福者」より
平和は力では保たれない。
平和はただ分かりあうことで
達成できるのだ。
アルバート・アインシュタイン(ノーベル物理学者)
Peace cannot be kept by force.
It can only be achieved by understanding.
Albert Einstein
世界平和のために
The World Peace Prayer Society
【世界の終わりに】
終わりに向かう始まり
始まりに向かう終わり
僕らの世界では、
物事は常に
双方向に進んで行く
作りものと
まがいものに
埋め尽くされて
何が真実かなんて
誰にも分かりっこない
それでも
真実を求めて
僕らは進んで行く
何かが始まる
世界の終わりに向かって
(写真:上野森林公園~三重県伊賀市)
【ダックスと過ごす午後のひと時】
昨日の午後も、宿直明けで午後に休みをもらった。
ルイガノ・ダックス(LGS-CM)にサイクルコンピュータをつけてみた。
特殊な形状の自転車なので、通常は可能なハンドルバーのステム付近ではセンサーが作動しない。
蝉時雨さんのサイトで紹介されていた方法で、位置的には少し下になるが、ステムのヘッド付近に固定することができた。
ここならきちんと動作することが確認された。
マグネットは100均で売られているメモを冷蔵庫などに留めるためのマグネットをホイール(スポークがない)に瞬間接着剤で固定。こちらもうまくいった。
ホイール周長は630mmでセット。
さっそくダックスを分解、愛車ベリーサに積んで上野森林公園にポタリング。
通常のポタリング程度だと時速15キロ。
勾配10パーセント未満の坂道なら時速10キロ前後。
少し速いペースなら20キロ少々までは出る。
下りで25キロ以上出すと少し危険を感じる。
ヘルメットをかぶっていなかったのでせいぜい時速28キロでとどめておく。
スピードを出すための自転車ではないので時速20キロ出せれば十分。
午後の公園は平和だ。青空も美しい。風がやや強くてサイクリング日和とはいえない。
約10キロくらい走ってみて、ダックスの性能を確かめてみる。
登り坂で立ちこぎするとハンドルがふらつく。車体が小さい分立ちこぎは安定性に欠けるのだ。
小さな段差ならそのまま走ってクリアできるのだが、基本的には立ち止まり下車して通過するのが理想的。
陥没した溝などにはまると前につんのめるように転倒しかねないので要注意。
折りたたみペダルだと分解・組み立ては楽でいいのだけれど、ペダルを踏んだ力がダイレクトに駆動部に伝わらない。
かと言ってトークリップをつけたり、SPDペダルに交換するというのもどうかと思う。
空気圧は4~5気圧くらいが適当か。オフロードでは基本的には走らない。
ブレーキの効きがやや甘いのでケーブルを調整したが、ブレーキシューは蝉時雨さんの提案どおり、アルテグラ辺りのパーツを使った方がよさそうだ。本体を交換するのも頭に入れておこう。
ボトルケージを一昨日注文して本日手元に届く予定。
サドルバッグをつけて、ツーリング仕様に徐々にカスタマイズして行こう。
今日は伊賀市内の山沿いは積雪が観測された。
こちらも風が冷たく冬に逆戻り。
咲き始めた梅の花も縮こまってしまっている。
シングルギア(84×14T)で坂道を登ったり下りたりして心地よい汗をかいた。
やはり自転車はいい。このダックスは、今までにはない自転車の魅力がたっぷり詰まっている。
5時の閉園を前にダックスを折りたたんでバッグに収納。
その前に愛車ベリーサとツーショット。
本来アウトドア志向の人間ゆえに、室内にこもりっ放しでいると気が滅入ってしまう。
野性に返る時間が必要だ。
テーマ:自転車(スポーツ用) - ジャンル:スポーツ
【そして、神戸…】
待望の第2弾、ルイガノ・ダックスによる輪行ツアー@神戸。
午前11時半現在、神戸元町駅に到着。
目指すはチャイナタウン南京町。
まず波止場へ。 メリケン・パークにやってきました。
潮風が心地よく、空がとても眩しく感じられます。
さあ、待ちに待ったランチタイム。
神戸の南京町はミニ中国。
美味しい中華料理がいっぱい。
まず、チャイニーズバーガーとエビシュウマイ、それに鶏の唐揚げを食べました。
店を替えて、刀削麺(とうしょうめん)を初体験。
こねた粉を刀で削って茹でた麺です。
歯ごたえは味噌煮込みうどんのようでした。
南京町を出た後は再びメリケンパーク周辺を散策。
公園のベンチに腰掛けて、ゆったりとした時間を過ごしました。
缶コーヒー片手に、ヘッドフォンステレオでお気に入りのジャズを聴く。
まさに至福の時間…癒されます。
今日も、ルイガノ・ダックス(LGS-CM)が大活躍。
JR快速で大阪に着きました。
現在、大江橋南詰、ダックスで御堂筋を南下中。
難波まで走ります。
午後3時45分、南海難波駅前着。
ずいぶん早い時間にゴールしてしまいました。
少し時間をつぶして早めの夕食を食べて帰ります。
街を颯爽と駆け抜けるのは快感です。
ちょっと…
エイドステーションへ…。
生ビール、最初の一口がたまりません。
運動量の割りに食べ過ぎているような…。
午後7時過ぎには伊賀市の自宅に戻ってきました。
今日も宿直明けのお休みを堪能することができました。
さあ、次は…どこへ…?
【炎の悪魔】
勤務先の高校2年生たちが、現在語学研修旅行という名目で、オーストラリア・ブリスベンに出かけている。
同じオーストラリア、南東部ビクトリア州では山火事が起こり、死傷者が多数出て、街そのものが焼失するという史上最悪の被害が出ている。
news.com.auのサイトでは"Victoria's Killer Fires"という見出しでフォト・ギャラリーが掲載されていた。
163枚の写真にはそれぞれにキャプションがついていたが、言葉では言い表せないほどの恐怖がそこにはあった。ただ、写真を眺めているだけでも鳥肌が立って、いても立ってもいられなくなった。
出火原因は放火の可能性もあるということだ。それにしても…こんなに悲惨な事態になると放火魔は分かっていたのだろうか。
ハイウェイを走る車、黒い煙が雲となって目前に迫ってくる。カーブを曲がればいきなり炎の嵐…。車から出ることも逃げることもできない…。
メラメラメラという得体の知れない音で目覚め、気がつけば裏の納屋が焼けている。炎の勢いは増し、着の身着のまま家を飛び出す。真っ暗闇の中で、自分の家が灰になるのを、ただ指をくわえて見ている…。
数え切れないほどの悲劇がそこにはあったことだろう。逃げ遅れて焼死体となって発見された者…。幸い命は無事であったものの、家も財産もすべて失ってしまった者…。
高温と干ばつが続き、熱波に見舞われていた時期、全てのものが乾燥しきっていただけに、いったん何かに火がつけば、炎は膨れ上がるばかり。
Marysvilleという町は、あらゆる建造物が焼けて、町そのものがすべて焼失してしまったという。
悪魔のような炎が全てを奪い去ってしまったのだ。
戦争でもない、しかし、あたかも戦争で激しい空爆を受けた直後のような焼け野原に立ち尽くし、呆然としている自分自身を想像してみる。
例えようのない喪失感の中で、何を支えに生きていけばいいのか…。
火はまだ鎮まっていない。まずはこの悪魔を退散させることが、何よりも最優先されなければなるまい。
亡くなられた方々の冥福を祈るとともに、生き永らえた方々が、一日も早くこのトラウマから立ち直ることができるよう願うばかり。
合 掌
【詩篇:道祖神1】
いつか見た
自分という
風景に
ふりむく
風景の
デジャヴ
どこまで
走っていくか
地平線
(Photo: Nullabor Plain, Western Australia, February 1995)
【心眼(しんがん)】
自分自身の目で見、自分自身の心で感じる人は、とても少ない。
Few are those who see with their own eyes
and feel with their own hearts.
アルバート・アインシュタイン(物理学者)
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感性だけで生きるには世の中は複雑すぎる。
感動だけで生きるには世の中は単純すぎる。
事実だけを追い求めていては世界は歪んで見える。
真実だけを追い求めていては自分が歪んで見える。
とかくこの世は住みにくい。
目に見えぬものを観る眼、
耳に聞こえぬものを聴く耳、
その魂で感じる力が必要なのだ。
Author:KAY(高繁勝彦)
走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 YAMANOVAコーヒーアンバサダー、ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、エコマラソンアンバサダー、エプソンTRUMEアンバサダー。
旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。
大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。
楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」と“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら。
二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断ランニングの旅(3,443km)、「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2(3,482.3km)」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。
2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。
2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。
2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。
2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。
2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。
2014年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。
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PEACE RUNテーマソング “Go The Distance”収録
PEACE RUNサポートソング “My Goal”収録