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KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

ワイキキの熱い砂

【ワイキキの熱い砂】

honolulu1993a
1993年12月 ワイキキ・ビーチ、ホノルル(米・ハワイ州)


焼けた砂浜の上を裸足でゆっくり歩いてみると、刺激的な熱さが足の裏一面に広がるのが感じられた。

頭のてっぺんに燦燦(さんさん)と輝く太陽はこのまま永遠に沈むことがないかのようにも思える。



常夏(とこなつ)の島ハワイ、12月のワイキキビーチでは、冬という言葉に不自然な響きさえ感じられるほどだ。

サーフィンやダイヴィングを楽しむ者、海岸で肌を焼く者、誰もが子供にかえっていろいろな遊びを楽しむことができる。

それに人々の笑顔が、ホノルルの太陽と同じようにキラキラ輝いていてとても眩(まぶ)しい。

人種や肌の色、文化や言語の違いなどはここでは全く問題じゃない。

太陽の光はすべての者に平等に降りかかるし、もちろん誰かが誰かを愛することも自由だ。

大切なのはどれだけスマイルが美しいか、どれだけハッピーでいられるかということなんだろうと思う。



僕は海岸のベンチに腰を下ろし、近くのABCストアで買ってきたダイエットコークを飲みながら、海岸で戯(たわむ)れる人の群れを眺めて時間をつぶすことにした。



時間が異常なくらいスローテンポで流れていくことに快感を覚える。

ヘッドフォンステレオはカラパナの「ワイキキの熱い砂(Black Sand)」を流していた。

やはりワイキキにはサーフロックがマッチしている。





次第に気分がハイになっていくのを感じて、熱く焼けた砂の上を軽くジョギングしてみる。

沖に出たサーファーが絶妙のバランスでサーフボードに乗るように、僕も砂の上にいて二本の脚でしっかりと自分の体を支えながら走っている。

自分の体がまるで宙に浮いたまま走っているかのようにも思えたし、足取りはいつになく軽く、実際いつまでも走れそうな気がした。



夕陽が沈むまで僕は走り続けた。BGMはパブロ・クルーズの「フリーライド・サーファー(Zero to Sixty in Five)」に変わっていた。長時間走ったおかげでTシャツは汗でびしょびしょになった。





やがて、雲ひとつない西の空に日が沈む頃になると浜辺にいる人の姿もまばらになり、仲良く手をつないで歩くカップルの姿が目立つようになった。

僕は砂だらけになった足を水道の水で流し、紫色に染まった海を見ながらカラカウア通りに戻り、どこかで新しいTシャツを買うことにした。



クリスマスで賑わうネオン街、ワイキキのダウンタウンは日本人観光客であふれ返っていた。

よりによってみんなが同じ時期に一度に押し寄せるから、海外旅行にやってきたというのに、ちっとも海外に来たという実感が湧いてこない。

そんな風に感じているのは僕だけではないかもしれないけれど...。


僕はホテルに戻り、ベランダのデッキチェアに腰をかけ、よく冷えたバドワイザを飲みながら太平洋を眺めていた。

この東の果てに、かの北米大陸がある。

かつて、僕が野心を胸に駆け抜けたあの大地がこの海の向こうに存在するのだ。

旅に出ている間は、しばしば祖国日本のことばかり考えていたにもかかわらず、今となってはあの旅の空が懐かしくて仕方がない。いつかまた、あれらの風景の中で、あの時出会った人々と再会することなんてできるのだろうか。

そんなことを考えながら、僕は異国の空の下、海の向こうにぼんやりと浮かぶ青い月を眺めている。



風が少しあってクールな夜だった。


僕の足の裏には、昼間歩いたワイキキの砂の熱さがまだほんのりと残っていた。




* * * * *




夕闇迫るワイキキの浜辺に
Standing all alone at the Wikiki Beach

ただ一人佇(たたず)めば
When the dusk is gathering

潮騒のメロディの耳に心地よく
Enjoying the sweet sound of the waves

椰子(やし)の木のたもとで
I'm wishing, right at the foot of a palm tree

誰か寄り添うべき人の恋しき
For someone to lay down beside me



waikiki1993


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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/12/10(金) 14:39:18|
  2. 回想
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プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 YAMANOVAコーヒーアンバサダー、ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。  
大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら。 

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断ランニングの旅(3,443km)「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2(3,482.3km)」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。 

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。 

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。 

2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。 

2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。 

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。 

2014年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。

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