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KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

冒険を考える

【冒険を考える】

nakanishi_daisuke
(今年の植村直己冒険賞を受賞された世界二周サイクリスト中西大輔さん)


日本では、旅や冒険というのは、学術的な目的で行われる探検と違って、遊びの延長で見られてしまうことが多い。

これまでの歴史で、幾多の危険や障害を乗り越えて偉業を達成してきた冒険家たちも、実際にそう見られてきたのかも知れない。

ただ、世界の歴史の中で、自分を犠牲にして命の危険を冒してきたからこそ、いろんな発見があり、文明が築かれるファーストステップとなっていることだってたくさんある。そういう意味では、冒険も文化の一つであり、成し遂げられた偉業は、その国の財産と考えることもできる。



個人的な構想だが、冒険家や旅人を支援するようなNPOや組織は作れないだろうか。

自分のような旅をするにしても、いったん仕事を辞めて生活の保証もないまま世界に飛び出していく旅人は数知れない。JACC(日本アドベンチャーサイクリストクラブ)に所属しているメンバーの大半も、過去に世界を旅した旅人たちも同じだ。

旅を終えても、本を出版したり講演をしたりして、その収入だけで暮らしていければいいが、そんなのはあくまでも理想だ。

企業や組織のスポンサーをもらえるのは、アースマラソンの間寛平さんのように、それなりに経験とキャリアがある者に限られる。

どんな旅人でも冒険家でも、目的と計画がはっきりしていれば、それを支援することでさらなるチャレンジを続けられるように、サポートする組織が必要であると思っている。こうすることで、植村直己氏の後に続くようなすぐれた冒険家が育成されていく。組織自体が企業からの賛同を得て、日本国内の冒険家に冒険のチャンスを提供するわけだ。物資面でも資金面でもいろんなサポートがしてもらえればチャレンジャーにはかなりのプラスになる。


いろんなプロがあっていいのだ。

さらに、いろんなプロを養成する施設もあっていい。

アメリカではありとあらゆるものが学問となってしまう。日本ではオタク扱いにされるような人間も、アメリカでは大学の教授として研究に没頭している人もいる。

以前は日本になかったような、ゲームソフトを開発するための学科も今は増えてきた。昔は専門学校にしかなかったアニメのスペシャリストを養成するような学科もいくつかあると聞く。

冒険学校の構想は以前にもあったらしいが、なかなか新しいものを普及させるのは簡単なことではなかろう。地域や行政の理解も必要となるからだ。


今の日本は、旅人も少なくなってきているし、あえて辛いことや苦しいことに挑もうとする若者は限られてしまってきている。日本という社会がこの先どんどん閉塞状態になるかも知れないという危惧が、今の若者たちを見ていて感じられる。1980年代から1990年代、ちょうどバブルが崩壊するまでに当たるが、彼ら/彼女達の育ってきた環境がまさにそれを物語っている。

危険なことをさせないように仕向けている親も実際に多いのだろうか。

アウトドアで子供たちと時間を過ごす親も減ってきている。せいぜい河川敷の公園でバーベキューをするくらいのもの。子どもと山に登ったり、釣りをしたり、自然の中で過ごす時間を少しでも持っている親は今どれだけいるのだろう。

旅や冒険をする人間には、幼い頃の生活環境が大いに影響しているはず。

世界二周サイクリストの中西大輔さんも、その著書「世界130カ国自転車旅行」で、小さい頃から父上と虫を捕まえに行ったり自転車で走り回った経験を記されている。

自分自身も、幼い頃、父と過ごしたアウトドア体験は数え切れない。

初日の出を拝みに、大晦日の夜から元旦にかけて、雪が積もった金剛山(大阪府最高峰)に登ったり、夏は父の実家の広島県福山市鞆の浦の海で、一日中海に入って魚を捕まえたり釣りをしたり…。

簡単にあきらめない生き方、とことん一つのことをやり通そうとする姿勢、じっくり時間をかけて最後まで頑張る粘り強さ…。旅や冒険が与えてくれるものは、自分自身の生き方にも必ずプラスになっている。

四半世紀、教育現場にいて分かったこと…今の日本では、残念ながらこれとは逆の生き方が普通になりかけているような気がする。子供たちの体力はひと昔前に比べて衰えているというデータもあったし、根気よく時間をかけて何かをするという機会も、今の学校ではあまりないような気もする。

そもそも「生きる力」とは何なのか?

学校が、親が、社会が、もっと子供たちと向き合って考えるべきテーマであろう。子供たちは身近なところで起こっているものに興味・関心を持ち、そこから何かを学んでいくもの。

「冒険」というテーマで、子供たちにいろんなことを体験させ、考えてもらう場面を作るのもいい。総合学習の一環としてでも十分可能なことだ。植村直己冒険館でもそのようなイベントが行われていたりする。

旅や冒険をするチャンスが増えていくことで、もっと多くの若者たちが世界に飛び出して、その偉業に心動かされた子供たちが、さらにチャレンジしつづけていく…そんな日本が理想だ。

この国の、幕末動乱の時代を生きてきた志士たちは、不可能と思われていたことでも、とことんあきらめず、粘り強く、時間をかけ、命を懸けて取り組んできたことで新しい時代の夜明けを迎えることができた。

志(こころざし)ある若者たちが、夢と希望を持って何かに一生懸命に取り組める我が国ニッポンをつくるためにも、システムとしての冒険家育成のための組織づくりを願って止まない。



*お知らせ:

明日のスポーツニッポン(関西版)「寛平ちゃんのアースマラソン『走りたい~の』」のコーナーに登場予定でしたが、年明けに延期になりました。

ネット版はこちらを…。





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テーマ:思うこと - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2010/12/29(水) 16:49:27|
  2. 冒険
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プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 YAMANOVAコーヒーアンバサダー、ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。  
大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら。 

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。 

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。 

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。 

2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。 

2019年夏にヨーロッパ続編となる「PEACE RUN 2019 ヨーロッパランニングの旅PART2」を予定している。

2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。 

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。 

2014年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。

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