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KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

和の心

【和の心】

9日の日曜日、奈良マラソンの応援で参加した仲間が全員完走した後、近鉄奈良駅から少し離れた居酒屋さんで軽く打ち上げ。

本当に寒い一日だった。

第1回と第2回大会にも応援に来たのだったが、過去2回は競技場内でスタートとゴールを見ていた。

今回、愛車Dachs号でコース内を走って回って観察しながらいろいろと気づいたこともある。

詳しいことはまた後日まとめようと思う。




先週の明日香村ロゲイニングと今回の奈良マラソンで二週続いて奈良に来たけれど、奈良は実母の生地という関係で一時期暮らしていたこともあって、個人的にはお気に入りの場所。

私の実家も羽曳野市にあり、奈良は目と鼻の先。



奈良マラソンの夜は、猿沢の池のすぐ近くにある「旅館松前」に一泊することになった。

今年、5月に「旅RUN×(kakeru)」で奈良を走るイベントの際に、facebookのお友達で脚本作家の伊藤さんがたまたま泊まられていたのがきっかけだった。

次男のあつしくんが何度かイベントにもお手伝いに来てくれて、奈良でのつながりもいろいろ広がっていたこともあり、歴史ある奈良の旅館に泊まるのは楽しみでもあった。



猿沢の池から南へ、細い路地のような道を抜けて、ならまちの静かな一角にある旅館松前へ。

ならまちは世界遺産がいくつもあり、歴史マニアにはうってつけの宿。

加えて、旅館松前では大蔵流狂言の稽古場として狂言らいぶも開催されているという。

海外からのリピーターも多く、奈良に来たらお決まりの宿として選ばれるのも和の心を大切にされているからなのだろう。



小奇麗な建物、部屋も明るく綺麗だった。

今までの旅でいろんな宿に泊まってきたけれど、シンプルでくつろげるというのがHeavy Travelerには一番ありがたい。

基本は畳の上で布団があればいいのだが、ちょっとした置物や額縁などを部屋に飾ってくれるような心遣いがうれしかったりもする。


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あなたの親切や思いやり、気遣いは私には「もったいない」と思える心…それが感謝なんだな…。



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気づくことの美しさ…ありがとう。



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既に他界されたご主人(前館主)は、その昔シカゴのホテルで氷彫刻を、その後仏像彫刻をされていたらしい。館内にはいくつかの素晴らしい作品が飾られている。


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書道の達人、女将さんが書かれた作品も…。

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勢いと潔さを感じる筆使いに圧倒される。



お風呂上り、ビールをいただきながらいろいろとお話をさせていただいた。

お二人の息子さんもあいさつに来てくれた。

一見純朴そうだけど、内に秘めたる何かを持っているように感じた。




旅人を温かく迎え入れ、そしてまた次の地に向かう旅人を快く送り出すという旅館業。

女将さんの優しい笑顔と寛容な心に、旅人はくつろぎ安らぐ。

靴を脱いで宿に入った時点で、抱えていた重い荷物を降ろし、その際に、いろんなしがらみやモヤモヤ感さえも取り去ってしまう。

Feel at homeというのは「楽にする」ということだけど、「自分の家にいるように感じる」ことが何よりも大切なんだろう。

初対面の人にいきなり身構えるようなことは普通しない。

そんなことをすれば相手も身構えなければならなくなるからだ。



宿というのはある意味サラダボウル的なところ。

何もかも受け入れながら調和を保つことで成り立つのだ。

多くのツーリストが世界中から集まってきて、いろんな思い出を作って行くのだろうけれど、ただ単に泊まるだけではなく、心地よさや温かさを十分に堪能して送り出してもらうから、また訪ねたい…そう思わされるのだ。



いつか、旅に区切りがついたら、将来宿をやってみたいと思っていた。

宿をやり始めたらなかなか旅はできなくなるけれど、自分が移動できない分多くの人が出入りしてくれる、そんな人たちと接していれば旅をしているよりも楽しめるんじゃないかという気もする。

ちょうど流れる川と岸辺のような関係かもしれない。




人と人が出会うことから「和」が生まれる。

「和」とは「和(なご)む」こと。

そして、「和」とは「和(やわ)らぎ」でもある。

殺伐とした関係ではなく、いつも笑顔でいられるような間柄。

一緒にいてホッとできる時間を共有できる仲…。



女将さんとお会いしたのはこれで二度目だけど、話をしている内にまったくそんな風に感じることはなくなっていった。

旅人もそうなのだろうが、旅館を営む女将も人と出会うプロフェッショナルである。

人を楽しませると同時に、自分自身も楽しむ術(すべ)を心得ておられるのだろう。




朝、柔らかな光が障子越しの窓から差し込んでくる。

一階の広間で朝食を用意して頂いた。

二人組の女性が既に食事をとっておられたが、女将さんがわざわざお二人に私のことを紹介してくれた。


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部屋の壁には、狂言で使われるような鏡板。

文化財などの修復を専門とされる高名な絵師が、旅館松前のために個人的に描いたという「老松(おいまつ)」。

特別な顔料で桧の板の上に描かれたものだが、色合いといい構図といい「見事」としか言えない。



女将さんが部屋の明かりを消した。

すると老松は薄明かりの中でぼんやりと姿を浮かべる。

目が慣れてくると、金箔の部分から老松の全体の輪郭が目にじわじわと入ってくる。

不思議だ…そこまで計算されて描かれていたのか…?


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朝食は和食で…

その土地でその時期に獲れた新鮮な素材を使った食事。

バラエティに富んだいろんな色の食材がユニークな形の食器に盛り付けられている。

自然からのあらゆる恵みを「いただきます」と思える食事がうれしい。



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チェックアウト時に、アイルランド出身で、現在島根で仕事をしている男性に会った。

昨日の奈良マラソンを走ったらしい。

「来年も奈良の町を走るつもりありますか?」とたずねたら、来年は徳島マラソンを走る予定とのこと。

「いつかアイルランドも訪ねるつもりだよ」というお話をして握手で別れた。


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短い時間だけど楽しい時間…ふるさとのように、次に帰ってきた時に、きっと「懐かしい」と思わせてくれるような宿、そんな思いで宿を出た。



静かなならまちの一角、平和な朝のひと時…。

「平和」の二文字の中にもちゃんと「和」の文字が含まれているではないか…。


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女将さん、ありがとうございました。

また帰ってきますのでよろしくお願いします!


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スタッフの不破さんも自転車愛好家とのこと…。




「大和(やまと)は国のまほろば」


大和は大きな「輪」であり「和(調和)」なのだ。

日本のことを「大和の国」と言った背景がここにはある。




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「和を以て貴しとなす」

かの聖徳太子が十七条憲法の最初に言った言葉…。

和の心…共存共栄…いまこの世界に、地球に一番必要なもの。

戦争や対立ではなく、お互いを生かしうまく調和することこそが平和への道となるということ。



「和」の心…本来の日本人のよりどころとなるものがきっとあるはず…それを気づかせてもらったことに感謝!




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共に生きるところから、ランナーは共に走る。

曰く、競争ではなく「共走」なんだ。



*何枚かの写真は旅館松前の女将さん撮影



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テーマ:つれづれ日記 - ジャンル:日記

  1. 2012/12/10(月) 23:59:59|
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プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 YAMANOVAコーヒーアンバサダー、ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。  
大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら。 

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断ランニングの旅(3,443km)「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2(3,482.3km)」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。 

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。 

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。 

2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。 

2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。 

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。 

2014年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。

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