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KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

不合理と不条理

【不合理と不条理】

1979(昭和54)年、大学に入学してすぐに剣道部に入った。

上下関係がはっきりしていて、先輩に対してのあいさつは常に「押忍(オス)」。

イエス・ノーはない。

「おい、高繁。たばこ!」「押忍!」

「おい、高繁。酒屋に行って缶ビール買ってきてくれ。カネがないので立て替えてくれるか」「押忍!」

「おい、高繁。3限目の倫理学、代わりに出席票書いて出しておいてくれるか」「押忍!」

コンパではたびたびイッキ飲みを強要される。バケツや洗面器でビールを飲んだこともあった。

何を言われても、個人的な感情が含まれない「イエス」を意味する「押忍」としか言わせてもらえなかった。

逆らうことはあり得ない。「押忍」の声は大きくなければならない。声が小さければ自分への評価が下がってしまうのだ。

先輩に食事や酒をごちそうになったら「押忍、ごっつぁんです」というのが決まり文句。

剣道の稽古では、気合が入っていないという理由でしばしば個別で特別稽古を受けた。

掛かり稽古という名目で、足払いをされ、喉に突きの連発。

ひっくり返され、胴の上に先輩が乗っかって動けなくなる。

夏の合宿、一年目は奈良で8泊9日に渡る激しい稽古が続いた。

全日本学生優勝大会への団体戦出場を目指していたので、そのためには関西学生選手権でベスト16に入らないといけない。

思い出すのもおぞましいほどの猛練習。今も疲れていると夢の中に出てくる稽古の場面。

あの1979年夏の合宿では一日三部練習(計6〜8時間)が続いた。

仲間が倒れ、救急車で運ばれる。そうすると残された者への精神的・肉体的な負担が一気に増える。

4回生は神様、3回生は人間、2回生は奴隷、1回生はゴミ…そんな階級制度が暗黙の内に存在していた時代。

人権という言葉は知っていたが、自分たちのいる世界ではあまり意味のない架空のものでしかなかったのであろう。


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大学時代は趣味で自転車を楽しんでいた。




一年ごとに階級が上に上がっていく。そしてついに、最上級生となる。

大学3回生の終わり、体育会本部役員に抜擢される。


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関西外国語大学体育会本部企画部長をやっていた…写真左最後部が私




4回生になって、もう誰からも無理や無茶を言われることもなくなった。

応援団でもないのだけれど、学ランがフォーマルウェア。

慣例のように後輩を顎で使い、無理無茶をいう連中もいたが、見ていて気持ちのいいものではなかった。

辛く苦しい時代を経験してきた僕は、下級生たちに無理や無茶を押しつけることはしなかったししたくもなかった。

押して忍ぶ…不合理と不条理が当たり前だったあの時代に生きていて、僕は自然と強さを身に着けていったのだ。

強さとはやさしさ…自分に厳しく、他人にやさしくあってこそ強い人であるということなのだろう。


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1981年の学園祭での私


あれらの日々を思う度、今の平和な時間に感謝だ。

今から思えば、あの時代を生きてきたからこそ、今の僕がある。

あの時代の稽古の時間を思えば、走るなんていうのは本当に楽しいもの。

どんな辛いことも乗り越えられるように鍛えてもらったのがあれらの時代…。

仲間がいたからこそ耐えてこれた。あれらの時代を闘ってきた仲間はまさに戦友と呼ぶにふさわしい。


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1982年卒業式の日…羽織袴をまとう


誰も見ていなかったかもしれないが、卒業式の日、大学の門を後にする時、大粒の涙を流した。

これですべてが終わった…そんな安堵感だけで僕は4年間の学生生活を終えた。

大学の行事に参加もしたしバイトもいろいろやった。


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居酒屋「牧野酒道場」では3年半ほどアルバイトをしていた


でも、剣道部時代の様々な経験はいろんなことを僕に教えてくれたと思う。

いつか、あの不合理で不条理だらけだった時代のことを物語にまとめてみようと思う。

今の若者達は決して知ることもない…あれらの時代を…。







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テーマ:より良く生きる! - ジャンル:ライフ

  1. 2018/06/13(水) 23:53:52|
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プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。

大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。

2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。 

2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。

2014年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。

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