【ランニング道(14)~マラソン講座】
*PART14:シューズが走りを変える
PEACE RUN 2011のオフィシャル・スポンサー、アシックスより既に2足のシューズをテスト用として提供してもらった。
1日にせいぜい10キロ走る程度であれば気にならないようなことでも、100キロを超えるウルトラマラソンを走る場合や、毎日40~60キロの超長距離を走り続けている場合には、気になることがいくつかある。
言うまでもなくシューズはランナーの体を支えている。それだけでなく、シューズの良し悪しはランナーのメンタル面までをも左右しかねないことがある。
武士にとっての刀のように、ランナーにとってのシューズは魂といってもいいのだろう。それだけに、いいものを選ぶ必要はある。
デザインや値段だけでシューズを選んでいる人は要注意。
シューズ選びの際のポイントがいくつかある。
サイズはもちろんだが、WIDTH(「ウィヅス」に近い発音だが"th"の発音は「ツ」のような「ス」のような無声子音=息だけの音)と言われる足の幅もしっかり合わせなければならない。
自分は特に幅広甲高で、フォーマルの革靴でも既製品でなかなか合う物がない。そのため、買ったシューズをシューストレッチャーと言われる道具でかなり広くした上で履かないといけない。
昔はなかった規格だが、今ではEの表示で幅が選べるシューズも多い。EEとかEEEといったEの数で幅が広くなっていくのだ。
昨年PEACE RUN 2010日本縦断では、ニューバランスNB966と967のG(4Eよりもさらに幅広)を履いていた。
インターネットでも扱っている店がかなり少なく、探すのに苦労した。
シューズに足を入れてみて、足の5本の指がシューズのどこにも当たることなく自由に動かせることがポイント。ハーフやフルのレースを走るつもりなら、今履いている普通のスニーカーのサイズより大き目のシューズが理想。
また、シューズを選ぶ際、どんな走りをするのかも明確にしておこう。初心者がいきなりトップランナーの履いている様なソールの薄くて軽いシューズを履いてみても、その機能を十分に生かすことはできないだろうし、最初からそんな高機能のシューズを履く必要もあえてないだろう。
ただ、シューズはやはりマラソンやジョギングの専門の店で買うに越したことはない。インターネット通販で買うにしても、現物を必ずどこかの店で見ておいて、サイズや履き心地を試しておくに限る。モデルチェンジが頻繁にされているし、型落ち商品なら値段もぐっと安くなる。慌てて新製品に飛びつく必要もないと自分は思っている。
今回、アシックスで用意してもらったのはゲルサロマとゲルカヤノ17-SW。サイズはどちらも28.0cm(自分の足は実際27cmだが、足の二番目の指が親指よりも長く、ランニングシューズでは28cmを使用している)。
日曜日に河内長野~滝畑ダムの往復20キロではゲルサロマを使用。本当なら距離を走る前に何度か履いてみて足になじませる必要があったのだが、昨日までに4回履いて60キロあまり走行。
普段自分が走っているのは農道などの未舗装路やトレイル(山の林道など)が中心。河内長野~滝畑ダム間は100パーセント舗装路だった。この日、久々にアスファルトの道をずっと走ったが、ゲルサロマのクッションのおかげでずいぶんと衝撃が緩和されたようだ。一度に30~40キロを超える距離を走ればもっとその良さが分かるはずだが、長時間走ったあと足がむくんできても、きちんと足をサポートしてくれるシューズということはよく分かった。
堅いアスファルトで走る時、片足には体重の3倍もの衝撃が加わるという。ゲルサロマは、つま先からアーチ(土踏まず)、かかとの微妙な動きに合わせてアウトソールがうまくしなることで足への負担が軽減されている。ほどよい堅さと柔らかさを兼ね備えたシューズであることは間違いない。
特にウルトラマラソンなどの超長距離では、距離を踏めば踏むほどアーチが下がってきて、足が極度に疲労するものだが、そんな場面でT-GEL効果が顕著に現れる。分かりやすく言えば、疲れにくいシューズであるし、疲れた足にも疲れを軽減させてくれるシューズであるということだ。LSD用にも使えるし、初めてフルマラソンにチャレンジする人にもいいだろう。
下りを走っていても、そのグリップの良さが分かる。一歩一歩着地するごとに確実に路面をとらえるトラッキング性が昔に比べてはるかに進歩しているということだろう。雨のアスファルトを走ってみればよく分かるはずだが、安定した走りができるということは、たとえばフルでいうところの30キロ以降、100キロなら70キロ以降で差となって現れてくるもの。
一方のゲルカヤノ、今朝初めて足を入れて約10キロを走った。足を最初に入れて紐を締めた瞬間に「何か違う」と思わされた。くるぶし部分をそっと包んでくれる柔らかな感触…。紐を多少きつめに縛っても違和感がない。これはCHFという素材を使っているところからきているのか。今朝履いているソックスはノーマルの厚さ。ゲルサロマに比べて肌触りのいい素材が足に優しく感じられる。
ゲルサロマと同様に幅広甲高の足にはうれしいワイド設計。特にゲルカヤノの方はスーパーワイドで4E相当。蹴り出しの軽さはゲルサロマよりも若干優れているようにも感じたが、それは同じ28cmでもゲルカヤノの方がゆったりとした作りのせいだったからだろうか。
アスファルトと未舗装路の両方を走ってみた。
アスファルトでは多少スピードを出しても着地の衝撃はソフト。試しに短距離走的なスピードを出しても走りはほとんどぶれることがない。
トレイルなどの不整地を走っても、抜群に安定している。石がごろごろしたような道をあえて走ってみたが、どんな角度で足が着地しようとも、シューズそのものがたわみ、捻れることで足への負担をカヴァーしている。グリップ力もゲルサロマと優劣つけ難しである。
シューズは、同じメーカーのものでもフィット感が違うことが多いし、メーカーによって、あるいはレース用・トレーニング用によってもがらっと印象が変わるもの。いろんなブランドを試してみるのもいいが、自分の足に合ったものを選ぶことが何よりも大切。誰かが「最高にいい」と言っているシューズでも、それが自分にとって必ずしもいいものとは限らない。
ランニングというスポーツは、ウェアとシューズ、あとは大会参加のための投資がいくらか必要になるが、大会に出なくても、素敵なウェアを着なくても、シューズだけは絶対に必要不可欠のもの。日本縦断では1足で1000キロ持たせたが、ソールが減ってクッションが悪くなったように感じるなら交換時。ソールの素材は昔に比べて進化してはいるが、夏場のアスファルトを毎日走ってれば500キロくらいで寿命が来てしまうもの。できるなら2~3組のシューズをローテーションを組んで使うのがいい。
アシックスから、高機能のシューズを同時期に2足も頂戴した。
まさに、
神様 仏様 アシックス様
である。
アメリカ横断5,000キロランニングの旅を支えて頂く一番のスポンサーに感謝!!
Author:KAY(高繁勝彦)
走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 YAMANOVAコーヒーアンバサダー、ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、エコマラソンアンバサダー、エプソンTRUMEアンバサダー。
旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。
大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。
楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」と“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら。
二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断ランニングの旅(3,443km)、「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2(3,482.3km)」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。
2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。
2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。
2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。
2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。
2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。
2014年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。
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PEACE RUNテーマソング “Go The Distance”収録
PEACE RUNサポートソング “My Goal”収録