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KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

ある愚か者の場合

【ある愚か者の場合】

夢の中でその声は聞こえてきた。

鼓膜に響く、低い、それもかなり低い、男の声だ。

「お前にしかできないことをやれ」

とその声は言う。

「直感を大切にして感じるままに生きろ」

とその声はなおも語りかける。

僕が声を出そうとすると僕の口は開こうとしない。まるで口をガムテープで固定されてしまったかのようだ。

「お前は話さなくていい。俺の話に耳を傾けるのだ」

以心伝心…テレパシーというやつか、どうやら声の主は僕の思っていることをきちんと理解しているらしい。

「目先のことにとらわれる必要はない。すべて最後はうまく行く。信じろ」

声は自信たっぷりげにそう言う。

「お前の最終の目的だけをしっかりとイメージしておくことだ。たどり着くべきゴールは見えているか?そこに至る道はすでにレールが敷かれているのだと思え。遠回りをするかしないかはお前次第。変に考え込むと回り道をすることになる。だから、あくまで直感を大切にしろと言っているのだ」

直感…感性のチカラか…。

「そうだ。感じるままでいることだ。頭で考えたことはすべて幻想なのだ。目に見えるもの、耳に聞こえるもの、ふれられるものはダイレクトに感じればいい。ただそれだけだ」

頭で考えたことはすべて幻想…

「幻想…そう、幻だ。実体の無いものだ。恐怖や不安がまさにそれだ。ないものを自分でかってに作ってそれにビクビク震えるのは愚者のすることだ」

愚者か、愚か者のすること…。

「お前は愚か者なんかではない。人はみな宇宙から生まれ、宇宙に帰っていく。この世界でのそれぞれの役割は既に決められている。だから、何を考える必要もないってことだ。ありのまま、あるがままの自分で、あらゆるものをすべて受け入れるのだ」

なるほど、一理ある。

「人は、考えるからいろんなものを拒んでしまう。拒否するということは一番ネガティヴな行いだ。辛く苦しいことは皆避けたがる。でも、それもすんなりと受け入れるべきもの」

つまり、人は、謙虚であるべきなのか…

「そうだ。そのとおりだ。謙虚であることが一番なのだ。生まれたての赤子のように、見るもの聞くもの肌にふれるものがすべて受け入れられれば、きっと目に見えない耳に聞こえない肌にふれられないものもきっと感じられるようになるはずだ」

謙虚、素直、生まれたばかりの赤ん坊なら当たり前だな。

「たとえばだ、お前は断崖絶壁に立たされている。一歩足を踏み出せば、高さ100メートルの崖っぷちから真っ逆さまに転落する…そんな状況をイメージしてみろ」

それは恐ろしい…

「恐ろしいに決まっている…それはお前が既に転落するイメージを考えてしまっているからだ」

じゃ、どうすれば…?

「一歩踏み出した時点でお前は橋を歩いている。橋の向こうにはお前の仲間が待ってくれている。橋を渡り切った時、断崖絶壁はお前のつくりだした幻想にすぎないということが分かるだろう。最初の一歩に精神を集中するのだ。今その一歩を踏み出す…それが今お前がなすべきことなんだよ」

???

「実体のないものについて考える必要はないのだ。お前たち人間はどうしてそう実体のないものにとらわれるのだ?邪念があるがゆえにいつもいつも無駄に神経をすり減らしている。今を生きて今を楽しめ。未来も幻想にすぎないってことがいずれ分かるはずだ」

そう言って声は僕の耳元でフェイドアウトされた。

未来も幻想にすぎない…

だとすれば、僕達は今という時間しか生きられないってことか…。














「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」公式サイト







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テーマ:よく生きる - ジャンル:ライフ

  1. 2015/06/22(月) 22:01:47|
  2. 小説
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プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 YAMANOVAコーヒーアンバサダー、ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。  
大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。

2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。 

2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。

2014年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。

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