KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

映画「わたしに会うまでの1600キロ」レビュー〜その1

【映画「わたしに会うまでの1600キロ」レビュー〜その1】

*注意:一部映画のネタバレがあるのでこの映画を見る予定の方はスルーして下さい。それでも差し支えなという方、あるいは映画をご覧になられた方はぜひご一読ください。





*パシフィック・クレスト・トレイル(=the Pacific Crest Trail、略称PCT)

アパラチアン・トレイル(en:Appalachian Trail)、コンチネンタル・ディヴァイド・トレイル(en:Continental Divide Trail)と並ぶ、アメリカにおける三大長距離自然歩道のひとつ。

全長は2,650マイル=約4,264キロでアメリカ合衆国の長距離自然歩道。

この映画で主人公シェリルは、カリフォルニア州のモハヴェ砂漠〜カスケード山脈〜オレゴン州のクレーターレイク〜ブリッジ・オブ・ザ・ゴッド(神の橋…オレゴン州とワシントン州の境を流れるコロンビア川に架かる橋)までの1000マイル=約1600キロを歩いている。



*あらすじ

主人公の女性、シェリル・ストレイドは、7年間の結婚生活、母の病死をきっかけにドラッグ中毒、セックス依存症となり離婚。自暴自棄の中で転落まっただ中の人生を送っていた。

人は転落する時には歯止めが効かない。転落するところまで転落するものだけれども、どん底にいる自分に気づいた時点で人はいつでも変わることができる。もちろんすぐには変わらないかもしれないし変えられないことだってあるだろう。

彼女を変えるきっかけとなったのは旅。それも砂漠や山岳地帯をひたすら歩き続けるトレイルの旅だ。

11666179_897681893602088_602281535879741460_n.png

シェリルの母バーバラは、DV(家庭内暴力)の夫の悪夢から逃がれ、女手ひとつでシェリルと兄リーフの二人を育てていた。

十分な学歴がなかったこともあって、自らの意志で40歳を超えてから娘と同じ大学で学ぶことを決心。辛く苦しい人生であったことは容易に想像できるが、どんな逆境にあっても生きることを楽しもうとする楽観的な生き方は素敵だ。

それからほどなくして癌の宣告を受け、儚くも他界。

母がシェリルに言った「美しさの中に身を置く」ということばが印象に残っている。

大自然そのものの美しさを彼女は旅のさなか経験する。そんなピュアで美しい風景の中に身をおくことで、彼女が一体何を学んだであろうか。

察するに、今の自分を快く受け入れなさいという宇宙からのメッセージではなかっただろうか。



*タイトルについて

11229404_923683237668620_6977092604249445373_n.png

荒野とは、文字通り荒れて荒(すさ)んだ手付かずの原野ということ。

しかし、荒んでいようがなかろうが、それは本来嘘偽りのない自然のあるべき姿、きっと人間も同じだ。

化粧したり着飾ったりすることで自分を隠さず偽らず、ありのままあるがまま、等身大の自分を受け入れて生きていくことが何よりも大切なのだということをこの自然から教えられる。

原題”WILD”にはそういった意味も隠されていたのかもしれない。

邦題「わたしに会うまでの1600キロ」は、ヒューマン・ドラマとロード・ムービーの2つの要素を兼ね備えた、言うまでもなく「自分探しの旅」である。



*まとめ

11796451_913232542047023_2136586266337053346_n.jpg 

シェリルのモノローグが要所要所で我々に対する貴重なメッセージとなっている。

時に言葉使いが荒れる女性ではある(笑)が、本音ですべてを語るストレートな部分は美化されてなくていいのかもしれない。

「いつでもやめてやる」が「決してあきらめない」に変わる時、どんな辛いものであっても旅のゴールは自ずと近づいてくるもの。

シェリルを演じるリース・ウィザースプーンがすっぴんで取り組む体当たり的な演技もワイルドであった。


11949480_921714977865446_4224843647772437332_n.jpg 

過去に見た「イントゥ・ザ・ワイルド」(私の人生を変えた映画のひとつ)にも共通する部分だが、過去のさまざまなしがらみから解き放たれるために自分をリセットするという明確な旅の目的がまずあるということ。



そして、歩くというシンプルな行為が、実は過去と未来をつなぐ「今」という自分のあり方を考え、「今」の自分と真摯に向き合うための純粋な行為としてフィーチュアされている。



人は様々な理由から旅に出る。そして、その旅の手段も人それぞれ。

どこをどんな風に旅しても、旅は旅。楽しい旅もあれば苦しい旅もある。

人生悲喜こもごもと言われるように、旅もいろんなエッセンスが詰まっているから面白くもあり悲しくもある。


同じ二本脚の旅人としてこの映画を見た時に、感じることがいくつかある。

旅の手段がシンプルであればあるほど得られるものは大きい。

そして、時間をかければかけるほど旅は面白くなる。旅そのものが人生、あるいは人生そのものが旅と化していく。

旅と人生の境界線が引けなくなればいよいよ本物の旅人だと私は考えている。


11923178_921714821198795_2090976884938882465_n.png


アメリカやオーストラリア、ニュージーランドを走っていて、よく旅の理由・旅に出るきっかけ(=CAUSE)をたずねられた。

「なぜ旅をするのか?」

それは、拡大解釈をすれば、「なぜ生きているのか?」という問いにも通じるものがある。

真の自分に出会う旅があるとするならば、この人生こそは真の自分と出会う場でもあるのだろう。


悩める人々は自ら悩みを作り出して悩むもの。悩みの元はすべて自分であり、そういった悩みにも意味があるということを今一度考えることが解決の糸口なのかもしれない。

悩める人々はぜひご覧下さい。




その2につづく


*写真は「わたしに会うまでの1600キロ」フェイスブックページから


「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」公式サイト


スポンサーサイト

テーマ:今日観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2015/09/02(水) 23:59:59|
  2. MOVIES
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<映画「わたしに会うまでの1600キロ」レビュー〜その2 | ホーム | 自由と孤独と寛容と>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kaytaka.blog35.fc2.com/tb.php/3205-94388bb9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2カウンター

プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
冒険家:アドヴェンチャー・ランナー、NPO法人“PEACE RUN”代表、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー
旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。

大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト
「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」
“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。

プロフィール詳細はこちら

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。

2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。

2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。

2017年9月現在、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」を現在走行中。


2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。

2013年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。


講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。

メールフォーム

ご意見・ご感想お待ちしております。

名前:
メール:
件名:
本文:

最新記事

PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅

無料メルマガ「週刊PEACE RUN」

高繁勝彦 on facebook

高繁勝彦 on TWITTER

"THE SWEEPERS"

地球にいいことしませんか?

One-Tooth Geta Club

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

カテゴリー

amazon.co.jp

楽天市場

PEACE RUN公式スポンサー

finetrack

Thule

エイチ・エス・アシスト株式会社

エイチ・エス・アシスト株式会社

ALTRA

ALTRA

KLYMIT

Fun・Running関西

FunRunning関西

辻子谷龍泉堂株式会社

ARUCUTO

The Social Tea House

The Social Tea House

Tyrell

ジョイフルログ

CACAZAN

CACAZAN

Gofield

Gofield

久光製薬

久光製薬

アシスト設計

株式会社アシスト設計

昭文社

昭文社

MEROS

MEROS

アンプラージュインターナショナル

アンプラージュインターナショナル

Progear Vision

Progear Vision

オートサイクルベンリー

才能はかり売りマーケットごろっぴあ

うちのダンナは冒険家

励まし屋

内田あや 青い空blog

JOBBB RADIOボラボラ大冒険

PEACE RUNプロモーションビデオ

PEACE RUNテーマソング "Go The Distance"

励まし屋"Go The Distance"

PEACE RUNテーマソング “Go The Distance”収録

PEACE RUNテーマソング“Go The Distance”CD絶賛発売中!!

PEACE RUN SUPPORT SONG "MY GOAL" PV

内田あや“My Goal”

PEACE RUNサポートソング “My Goal”収録

内田あや Long Road ~J country ver.~

濱守栄子【国道45号線】MV

RUN×10(ラン・バイ・テン)運動

runx10_logo

JACC 日本アドベンチャー・サイクリストクラブ

シール・エミコ支援基金

旅RUN×(kakeru)

旅RUN×

ベビラン(BABY RUN)

月別アーカイブ

QRコード

QR

ブログ内検索

RSSフィード