KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

ナラボー平原横断記念日

【ナラボー平原横断記念日】

straighthighway3_20130520180912.jpg 


時を遡ること2013年11月8日は「PEACE RUN2013 オーストラリア横断ランニングの旅」で最大の難所ともなったナラボー平原を走り終えた記念すべき日となった。

ナラボー平原の西の入口、ノースマンをスタートしたのが10月9日。

ほぼ一ヶ月かけて約1200キロを走りナラボー平原の東端の町、セデューナにゴールしたのだ。

徒歩を除いて、サポートなしの単独横断ランニングは、話題にこそのぼらないけれど、恐らく日本人初だと思われる。

オーストラリア横断 単独 ランニングといったキーワード検索で出てくるのは、アドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦 「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」関連のページばかり。

予想していた熱波に見舞われることも少なく(経験した最高気温は35度)、冷涼な気候(ちなみに経験した最低気温は2度)のお陰で体調を崩すことなく、怪我やトラブルにも遭うことなく、ナラボー平原を貫くエアハイウェイ1200キロを無事に走破することができたのは、ある意味運が良かったともいうべきか。


Nullarbor-Plain1.jpg 


当初は食糧難で、ロードハウスで手に入る食べ物も限られ、ひもじい思いをしながら、時には腹が減って走ることもできず、空腹で涙が出て情けない思いも経験した。

マデューラの手前で、妻のぴあぴを含む天球ぴんぽんずが突然現れて驚かされる場面もあった。

その時撮影してもらった動画がこちら…





「天球ぴんぽんず西オーストラリアに行く」YouTube動画再生リスト


3人が来てくれて、愛と勇気と元気をもらって、おまけに大量に水や食料を差し入れしてもらって命拾いをする思い…。私にとって3人はまるで救世主だった。ナラボー平原横断が成功したのも、3人のおかげと言っても過言ではない。


10408946_764008016981536_4229138066331640260_n.jpg

天球ぴんぽんずは妻ぴあぴ、芝田吾朗さんとシュガーこと佐藤敦さんの3名から成り立つスペースシャーマン


nullarbor123_201410221728520ae.jpg


地平線の果てに向かって続くただ一本のハイウェイ。

行けども行けども地平線に終わりはなく、一人走る道はあまりにも遠く長く果てしなく、延々と変わらぬ風景の中、水(16〜23リットル)や食料を積んだ、重さ50〜70キロのバギーを押して1日50〜60キロを黙々と走ったところではなかなか前に進まないもの。

それでも、地道に前進し続ければ、どんなところにでもきっとたどり着けるのだということを教えられる。

360度地平線に囲まれた広大な原野の風景、昇る朝日や沈む夕日の美しさに心癒される機会も多々あった。


IMGP2263_2015110821010637f.jpg 

IMGP2219_20151108205810b1d.jpg

一方で、過酷すぎるほどの厳しい自然環境にもさらされたナラボー平原。毎日野ざらしの状態で旅をしていれば、人間というのはあまりにも無防備な状態…。自然の力は時として人間の想像を超えるものがあるのだ。

気温2度で寒くなったかと思ったら、いきなり35度の酷暑がやってきたり、日照り続きかと思えば、予想だにせぬ砂漠の豪雨もあった。

特に、風はいつも気まぐれ。

平原を吹き抜ける突風でテントがぶっ飛ばされそうになったり、砂嵐に見舞われテント内が砂埃だらけになったり…。

IMGP2433a_2015110821052035d.jpg

気持よく走っていても、向かい風になれば当然ペースダウン、一歩進んでは二歩押し戻される感覚、容易に前に進ませてもらうことができないのだ。

一般的にナラボー平原はほぼフラットとは言われるもの、時にはジェットコースターのようなアップダウンが小刻みに続くローリングヒルも50〜70キロもの荷物を積んだバギーを押して走るのは楽なことではない。

IMGP2809_20151108210522fda.jpg 

いかにうまく自然と共存していくかということも、今回の課題だったと言えるだろう。

ナラボー平原で過ごした一ヶ月、様々なことを学ばせてもらうことになった。

いつも腹を減らしていた旅の前半、フラフラ走っていたら通りすがりの車が目の前に停まって、水や食料(新鮮な野菜や果物)を差し入れてくれる方々がおられた。

車の窓越しから名前を名乗ることもなく、ただ善意でこういったことをしてもらえて、最初は嬉しさと驚きで涙が止まらなかったもの。

時にはキャラバン(キャンピングカー)の中に招き入れられ、食事をごちそうになった上におみやげや現金まで頂いたこともあった。

特に後半はほぼ毎日のように誰かからいろんなものをもらい、買い物もしないのに、飲んでも食べても水や食料が決して減ることがなかったどころか日に日に増えていったのは驚くべきこと。

困った時には必ず助けの手を差し伸べてくれる人がいるのだということにも感謝感激感動。

この世界で、愛に満たされ、平和な気分にひたりながら走れたことは本当に幸せだったと思う。

IMGP1697_20151108205804404.jpg

他にも、旅の途上で様々な国や地域から来ている旅人にもたくさん会うことができた。

彼らは、ランナーやサイクリストであったり、モータバイクツーリストであったり、キャラバンで旅をするオーストラリア在住のシニアカップルであったり…。

人種や民族、国籍に関わらず、同じ地球市民として、同じ時代に、同じ地球に生きて、同じ時間と空間をシェアしあえる同朋・仲間であるということを心から嬉しく思う場面もしばしば。

平和だからこそ出会える喜びに感謝すべきなのだと思う。

IMGP1955_20151108205807e00.jpg

100〜200キロごとにあるすべてのロードハウス(レストラン・バー・モーテル・ガソリンスタンド・売店・キャンプ場などが一つになった複合施設)に立ち寄り、ほぼすべてのモーテル・キャビンに泊まり、通常の2〜3倍もする高価な食料や飲料を購入して飲食した。しかも、手に入れられる食料はスナック類や限られた種類のものばかり。輸送コストや輸送の手間を考えればそれは致し方ないことではあるが…。

IMGP2358 2


ロードハウスのモーテルでは貯水タンクの雨水を飲んでいた。

シャワーも貯水タンクの雨水、それも毎日浴びられるわけではなくロードハウスのある場所のみで3〜4日に一度。

ネットワークも限られた場所にしかなく、すべてのロードハウスでインターネットが使えるというわけでもない。情報の受信も発信も3〜4日おきというのがあたりまえ。ネットワーク圏外にいるのがごく普通の状態。

普段、日本で暮らしていて、あたりまえと思っていたことがあたりまえではない暮らしがこちらの日常でもある訳だ。

ロードハウスのないところでは、ハイウェイ上にある無人のレストエリアやアウトバックでのブッシュキャンプ。

IMGP2523_20151108210307fb0.jpg

水道も電気もトイレもない原野でテントを張って夜を明かすしかないのだから。

アリやハエの大群に歓迎されこそはすれ、毒蛇やサソリ、毒蜘蛛の猛襲を受けることもなく、平穏無事な夜を過ごせたのもラッキーだった。

541426_602365639812442_675443119_n.jpg


スタートのパースからナラボー平原のゴールセデューナまで約2500キロ。

それでも、オーストラリア横断のまだ半分たらず。

ただ、最大の難所ナラボー平原走破を終えたことが何よりも嬉しかったし、安堵の気持ちに浸るばかりだった。

18年ぶり、二度目のナラボー平原横断。一度目は1995年、自転車でオーストラリア横断したが、やはり過酷なナラボー平原の旅を終え、セデューナの町が見えてきた時には涙があふれたのだった。

あの時は、わずか2週間足らずで1200キロを走破したが、今回は自転車ではなく、ランニング。

人力で移動するという点では同じではあるが、18年前のあの時、同じような辛さ・苦しさを経験していたにもかかわらず、あの時以上に辛く苦しい思いもしたし、あの時以上に感動もさせられた。


wp_post_1929_4_img_8766.jpg 

ナラボー平原はある意味特殊な場所。砂漠の原野の中で私が体験してきたことは、普通に暮らしている人々にとっては考えられない、想像を超えた経験であったのかもしれない。そんな、ここでしか得られない特別な経験を経て、生きて生かされている今の自分がある。


ノースマンを出てから、久々に見る普通の町。

買い物もごく普通に普通のスーパーでできるし、食べたいものもあれこれ選ぶことができる。断食をしていたわけではないのだけれど、まるで断食明けのような気分でもあった。

お金さえ出せば、何でも買える、何でも手に入る、そんな場所が文明国なら珍しいことではない。東京や大阪はじめ、日本の主要都市ではコンビニやファストフード店が数え切れないほどあって半ば飽和状態だ。

「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」、2つめの大陸オーストラリアで、お金を出してもできない経験をしたことに私は素晴らしい価値を見出せたということなのかもしれない。


世界にいる70数億人の一人でも多くの人々と出会い続ける旅…自らの脚で出会いに行くのが私のミッション。


今はまだ国内で準備中ではあるが、今後もまだまだ続くPEACE RUN、アドヴェンチャー・ランナー高繁勝彦のご支援・サポートをよろしくお願い致します。




ナラボー平原を走るアドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦…BGMは天球ぴんぽんずの「空」


「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」公式サイト


スポンサーサイト

テーマ:よく生きる - ジャンル:ライフ

  1. 2015/11/08(日) 21:08:18|
  2. 冒険
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<一歩先が未来だ! | ホーム | この道や行く人なしに秋の暮>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kaytaka.blog35.fc2.com/tb.php/3272-a21237b1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2カウンター

プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
冒険家:アドヴェンチャー・ランナー、NPO法人“PEACE RUN”代表、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー
旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。

大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト
「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」
“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。

プロフィール詳細はこちら

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。

2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。


2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。

現在まで3つの大陸で16,637キロ走破。残り三大陸で23,363キロを走ることになる。

東日本大震災から3日後に「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。

2013年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。

講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。

メールフォーム

ご意見・ご感想お待ちしております。

名前:
メール:
件名:
本文:

最新記事

PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅

無料メルマガ「週刊PEACE RUN」

高繁勝彦 on facebook

高繁勝彦 on TWITTER

"THE SWEEPERS"

地球にいいことしませんか?

One-Tooth Geta Club

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

カテゴリー

amazon.co.jp

楽天市場

PEACE RUN公式スポンサー

finetrack

Thule

エイチ・エス・アシスト株式会社

エイチ・エス・アシスト株式会社

ALTRA

ALTRA

KLYMIT

Fun・Running関西

FunRunning関西

ARUCUTO

The Social Tea House

The Social Tea House

Tyrell

ジョイフルログ

CACAZAN

CACAZAN

Gofield

Gofield

久光製薬

久光製薬

アシスト設計

株式会社アシスト設計

昭文社

昭文社

MEROS

MEROS

アンプラージュインターナショナル

アンプラージュインターナショナル

Progear Vision

Progear Vision

オートサイクルベンリー

才能はかり売りマーケットごろっぴあ

うちのダンナは冒険家

励まし屋

内田あや 青い空blog

JOBBB RADIOボラボラ大冒険

PEACE RUNプロモーションビデオ

PEACE RUNテーマソング "Go The Distance"

励まし屋"Go The Distance"

PEACE RUNテーマソング “Go The Distance”収録

PEACE RUNテーマソング“Go The Distance”CD絶賛発売中!!

PEACE RUN SUPPORT SONG "MY GOAL" PV

内田あや“My Goal”

PEACE RUNサポートソング “My Goal”収録

内田あや Long Road ~J country ver.~

濱守栄子【国道45号線】MV

RUN×10(ラン・バイ・テン)運動

runx10_logo

JACC 日本アドベンチャー・サイクリストクラブ

シール・エミコ支援基金

旅RUN×(kakeru)

旅RUN×

ベビラン(BABY RUN)

月別アーカイブ

QRコード

QR

ブログ内検索

RSSフィード