【DAY4 ノーザンプトン〜ラグビー(イングランドUK)】

テントで目覚めた朝。ノーザンプトンの中心部から少し外れたスタジアムの跡地。
気温が11度、夜中寒さで目覚め、スリーピングバッグカバーを取り出す。
夜中、車でやってきた若者たちが近くで戯れていたようだが、眠りを邪魔されるほどのことはなかった。
枕をせずに寝た方が首がすっきりする。
それに、いつもビルの10階で暮らしていたからわからなかったけれど、地面にテントのフロアシートとウレタンのマットを引いて、土に近いところで寝ていることがアーシングになっていたのか、目覚めると(大して熟睡はしていないのだが)体が楽になっているのを感じる。
マフィンとヨーグルトの朝食を済ませ、キャンプの片付け。寝袋・マットレスをたたみ、荷物をまとめてテントを撤収。明け方に小雨があってフライシートも濡れているので、水気を切って少し風に当てる。これまでキャンプのたびに数えきれないくらい何度もやってきたこと。
午前6時スタート。目指すはラグビーの町。約30キロばかり。
できるだけ車の少ない幹線道路をたどるも、歩道は街の中以外ないし、車道の路肩も極めて狭く、昨日、パトカーに保護された時におまわりさんに指導されたのは、右側通行。対抗車からよく見えるように安全に配慮せよとのことだ。
今まで車と同じ左側を走っていた。バギーの右側にバックミラーと黄色のPEACE RUNフラッグを立てていたのもそのためだ。
ただ、右側を走っていると、真正面から車が来るという恐怖は絶えない。
特に前方がカーブになっていてあまり減速せずに走ってくる車には体が勝手に身構えてしまう。いずれにしても要注意だ。
グーグルマップの指示で約1キロばかり自動車専用道みたいなところをまたしても走らされる。もうパトカーのお世話になどなるものか(笑)。
わずか1キロ…交通量こそ少なかったが、時折大型車が来る際には、歩道ではない草ぼうぼうの路肩(路面より一段高くなっている)にバギーを持ち上げて退避。
ナショナルサイクルルートという自転車が走るための道路(必ずしも自転車専用道ではない)が要所要所にあって、それでも歩道なしが大半。公園内など一部の場所で自転車専用になるだけ。
途中出会った還暦過ぎのピートというサイクリストともこの話をしていた。
何だかんだ言っても交通の中心は自動車、それはイギリスも日本も他の先進諸国においてもたいてい同じ。
これまであまり若いサイクリストに出会っていない。街を走るランナーも結構年配の方ばかり。
ピートの話:
「リタイア組はやはり健康を考えて何らかの運動をするのがひとつのステイタスというか、やはり健康ブームなんだろうね。僕もしばらく怠けてたからお腹がほら…」
確かに…膨れ上がったお腹では動くのもままならないもの。
いくつか小さな村や町を経て、シングルトラックのトレイルのようなルートへと導かれる。
グーグルマップをあてにし過ぎるととんでもない所に連れて行かれることをこれまでアメリカやオーストラリアで何度か経験してきた。
ある箇所で、手作りの小さなゲートがあって、この先は道なんてないだろうと思って別の道を行くと、僕のi-Phoneは「経路の再検索」と表示される。
「え?」
進めということなのか?
ゲートをくぐって進んでいく。
羊や牛・馬のいる放牧地帯が続く。草むらのジャングル…気をつけて進まないと羊や牛の糞だらけ。タイヤにもシューズにも…臭いは気にならないけれど、いったんこびりついて乾燥したらなかなかとれないから厄介だ。
ひとつ避けようとしても避けた先にまた別の糞…おいおい…。
続いてまた別のゲート…
これはふたつ目のゲートで、柵を越えるしかない。
家畜が逃げるのを防ぐグリッド(溝)もあり…
車止めのような家畜が通れない、木製の扉を開いて人がやっとひとり通れるような特別な構造。
僕はバギーからすべて荷物をおろし、バギーも荷物も担ぎあげてゲートを越え、ゲートの向こうで荷物をまた積み直す。そんなハードル競技のようなことが計3回もあった。
今日のランはまるで障害物競走。

坂道はあるし…
道は時に凸凹。4WDの車しか通れないような道もある。
道の脇には棘のついた植物のつるが生えていて脚も引っかき傷だらけだ。Tシャツには穴が空いてしまった。

畑のど真ん中にも導かれた。こんなルートは今までなかった…というくらい。
不思議の国のアリスが、うさぎのあとを追っかけて変な所に導かれていく場面が思い出される。
バギーを押しながら、次は一体どこへ連れて行かれるのかという気持ち…。
一般の舗装路に出てきた時にはほっとさせられた。このエキサイティングな走りをドキュメンタリーフィルムに収めたかったが、一部走っているコースのみカメラで撮影。
あり得ないことも起こるのが旅の日々、毎日がドラマの連続、日々いろんなことで試されている。不平や不満を言ってたらキリがない。
ただ「ありがとう」の気持ちを忘れず、どんなことでも笑顔で楽しめたら、人生はもっと面白くなる。
午後からどうも目が痒い。過去に一度ニュージーランドでも経験したが、花粉症っぽい。
日本では花粉症の経験なんて全くないのだが、イギリス独自の何か特別なものに反応しているのだろうか?
午後3時過ぎ、ラグビーの町のホテルにチェックイン。パブリックスクールラグビー校の前を通過してきたが、ここはラグビー発祥の地であるらしい。
途中理髪店をやっているアラブ人の男性にゲストハウスの場所をたずねたのだが、アル中やホームレスが周辺をたむろしているからホテルの方がいいと言われた。
若い頃は野宿が当たり前で、むしろ野宿を楽しんでいたこともあった。テントと寝袋さえあればどこででも眠れる…そんな図太さが今は足りない。
旅に出ればこそ野性に返ることができるはずなのだが、文明生活にスポイルされてしまったがゆえにそれもなかなか難しい。やはりアメリカやオーストラリアの原野に帰る必要があるのだろうか?(笑)
一日あたり限られた使用量、それも限られた通信速度。ブログの写真1枚アップするのに10分かかったりすることも普通にある。
まだ国外でインターネットが使えるだけいいのかと…。
そういう訳で、あれこれいろんな情報受信よりも情報発信中心となっているということをご了承下さい。

生きるって、与えられた日々を命懸けで楽しむことなんだ…
って今日気付かされた。常にリラックス。困ったことが起きた時もまず深呼吸。よくよく考えてみればいろんなことがシンプルになる。
楽しむっていうのは、あらゆることをありのままあるがままに、そっと静かに、心地よく快く、寛容に、寛大な気持ちで受け入れられること。
そう、あせらずあわてずあきらめず、ゆったりまったり…。
そんなこんなで、アドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦は、何とか生きて走って旅を続けています。
ありがとうございます!皆さんのおかげです。
*本日の走行距離:34.2キロ 積算走行距離:172.4キロ*本日の写真はこちら*「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」が7月20日スタートしました!


私が走っている間、PEACE RUNTシャツをお持ちの方は、
同じ時間帯であってもなくても、同じ空の下、同じ地球の上で、世界の平和を祈りながら、
ぜひ私と共走して下さい。よろしくお願い致します!アドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦の「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」第三章「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」をぜひぜひ応援してください!
*詳細はこちら
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- 2016/07/26(火) 23:59:59|
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