KAY'S BLOG

独行道~Lonesome Road of Running

第4回奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足(とおあし)

【第4回奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足(とおあし)】

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第0回(プレ大会)を含め、今年で5年連続での参加。

前日には奥出雲入り。一本歯下駄フェスタを仕切りながら、隣ではワラーチのワークショップ。

午後5時には前夜祭。

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地元の美味しい食べ物やお酒などがテーブルに並ぶ。抽選会やアトラクションなどもあって盛り上がる。

午後7時半には終了して大会名誉会長の海宝道義さんと宿にチェックイン。


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毎年のことながら、ウルトラマラソンの父とも呼ばれる海宝さんからいろんなお話が聞けるのが楽しみでもある。

80年代から90年代初頭にかけてスパルタスロンやトランス・アメリカフットレース(日本人では初の二度完走)などを完走。




日本でもウルトラマラソンを普及させようと、海宝ロードランニングをスタートさせ、これまで19もの大会を作ってきた。

彼のポリシーではひとつのウルトラマラソンを10回(10年)やればそれで終了という。



元々は裏方(スタッフ)として参加、大会を盛り上げるのに尽力していたが、途中からゲストとして呼んで頂けることになった。

100キロは全部走らずいつも途中まで、昨年は60キロまで走ったが今年は25キロまで。この後に続く九州一周や「PEACE RUN2018ヨーロッパランニングの旅 PART2」もあるので無理はせず。

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参加しているランナーの皆さんと共走、その後は海宝さんとエイドステーションを回りながら、ランナーの皆さんの応援、さらにはエイドステーションにいる地元のボランティアスタッフの皆さんと交流するのがもっぱらの活動となっている。

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100キロの部スタートの午前5時はまだ曇り空、風が吹いていて肌寒かった。

今年は過去最高となる800名を超えるランナーがエントリー。60キロと60キロリレーの部が併設。

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一本歯下駄クラブのメンバー山口さんと小平さんが今回は100キロチャレンジ。

小平さんは昨年、人類史上初の100キロ一本歯下駄完踏を成し遂げ今回が二度目。

山口さんはフル一本歯下駄で4時間台の記録を持つ俊足ランナー。

いつもは一本歯下駄弁慶の大西さんは、今回思うところがあってワラーチで出走。

弁慶ではなく、ランニングウェアという仮装。弁慶と一本歯下駄でなければ誰だかわからない(笑)。



一斉にランナーがスタート。顔なじみのランナーに声をかけられたり、一緒に写真を撮ってもらったり…。初めて100キロを走るランナーもいるし、奥出雲初チャレンジのランナーもいる。見知らぬ同士が仲間になる、ウルトラマラソンではそれが普通だ。


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今回は、奥出雲町健康づくり推進員会の主催する海宝さんの講演会がレースのさなかに行われるということで、時間ギリギリまで走った。

亀嵩エイドで海宝さんの乗った奥出雲町の職員さんの車にピックアップしていただき仁多カルチャープラザへ直行。

 

約200人ほどの方々が既に集まっており、大半は女性。各地域ブロックの代表となり、地域住民の健康意識を高め、奥出雲町を長寿日本一にするためのさまざまな活動に日夜取り組む人たち。


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約1時間、めったに聞けない海宝さんのお話は実に興味深く、価値のあるものだった。

毎年この大会で、海宝さんと一緒に過ごす時間は長く、お話好きな海宝さんの口からはユーモアとウィットに富んだいろんな話が聞ける。

それでも、この講演会の中では、トランス・アメリカフットレースやスパルタスロンの話題があったり、100キロのウルトラマラソン(海宝さんの大会には「遠足=とおあし」というネーミングがキメられている)の運営にまつわるお話があったり非常にバリエーション豊か。

ふだん東京町田市でされている健康体操の教室での体操なども一部紹介され、健康意識が高く高齢者の多い奥出雲町ではきっと普及していくことだろう。

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講演を終えてすぐさま車で各エイドステーションを訪問。

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周りが山に囲まれた奥出雲町…どこに行っても登りか下り基調の道、平坦なところはほとんどない。


雨はお昼すぎから降り始めた。

予報では夜になっても降り続くということで、雨脚は時折強まり、風もさらに強くなって、ランナーにとってはこの上ない悪条件となりつつあった。

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天候だけはどうにもならない。

バックパックにレインスーツやレインジャケットを忍ばせて来たランナーはまだよかった。

70リットルのゴミ袋をレインウェア代わりにまとうランナーもいたし、経験の浅いランナーは防寒対策をしてこなかったようで、半袖Tシャツにランニングパンツという出で立ち。

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この大会の最後の方におろちループという螺旋状の道路があって、いっきに標高が上がり、700メートルを超えるところで雨風に打たれたランナーがどうなるかはたやすく想像できる。

日が暮れて気温が下がり、そこに激しい雨風…。

80キロ過ぎからそのおろちループに向かって登る道では強烈な向かい風も吹き、小柄な女性は前に進めず風に押し戻されるような始末。

晴れて風がなければまだ登りの苦労だけで済むのだが…。


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ウルトラマラソンでは長時間走り続けるがゆえにいろんなことが起こりうる。

足がつる。マメができる。股ずれが起こる…そんなのは日常茶飯事。

膝や足首、アキレス腱が「もうやめてくれ」と泣きはじめる。

でも、ゴールするという意志がある限りは止められない…走る続けるだけ。

いったんエイドステーションで立ち止まったらもう前に進めなくなることもある。

腰を下ろしたら自力では立ち上がれないことだってある。

道の駅があるエイドステーションでは暖房の入った部屋に飛び込んだが最後、気温ひと桁の外気には二度とふれたくなくなる。

人間とは弱いものである…そんなことを痛感させられるのもまたウルトラマラソンなのである。


各エイドステーションを一通り回ってゴールとなる横田コミュニティセンターに戻ってきた。

トップは8時間台で既にゴールしており、その後も続々とランナーが帰ってくる。

明るい内にゴールできればまだありがたい。

日が暮れて、ヘッドランプを点灯し、なおも降り続く雨と冷たい強風に晒されながらも多くのランナーは走り続けていた。

周りに、あるいは直ぐ側に他のランナーがいてくれればまだ心強い。

前にも後にもランナーがいなくなれば、とぼとぼと歩きながら上り坂を進むしかない。

下を見ながら、辞める理由だけを考え始める。

それまで走り続けてきた理由を考えるランナーは少ないだろう。

とにかく早く終わりたい、早くゴールして熱いお風呂に浸かってビールで乾杯したい、そんなことばかりが頭に浮かんでくる。

早く終わらせるために速く走れればいいのだけど、足はもう残っていない。

  
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エイドステーションでは地域の名産や名物などいろんな美味しいものも食べ、地域のボランティアスタッフの方々との交流も十分に楽しんだ。あとは、あとは…

ゴールすればいい…ただそれだけのことがなかなか難しい。

いろんな光景が目に浮かぶ…過去に走り切った大会の数々での自分自身の走りを思い返してみたり…。

そんな時、過去の大会での辛かったいくつもの場面がフラッシュバックする。

今回は今まで以上に辛いから、もうそろそろここでリタイヤしてもいいかな…そんな言い訳をも考え始める。

ゴールして号泣するランナーもいた。ゴールするなり倒れ込んで立ち上がれなくなるランナーもいた。満面の笑顔で余裕を持ってゴールするランナーもいた。


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ウルトラマラソンでの走りはまさに人間模様そのもの。誰ひとりとして同じゴールはないということだ。

走り切ったランナーだけが知っている、さまざまなドラマがそこにはある。言葉では語り尽くせないけれど、足が、全身が経験してきた痛みがすべてを物語る。

でも、走り切れなかったランナーもそれは同じ。ただ、走り切れなかったという事実だけが自分に重くのしかかる。

今回は、100名を超えるリタイヤがあったらしい。例年収容バスが用意されていたのだが、今年は救護車のワゴンがひっきりなしにあちこちを走り回り、リタイヤしたランナーのピックアップに大忙しだったようだ。




毎回、この大会に関わってきて、多くの出会いと発見、気付きと学びがあるものだけれど、今回もいろんなものを吸収することができた。

正直、今100キロを走れと言われて走れないことはないだろう。でも、16時間という時間の枠では走り切れないと思う。

そういう意味で、100キロを走るチャレンジャーたちには心から敬意を払いたいし、100キロを完踏したランナーたちには畏敬の念を持っている。

一度に100キロを走るよりも、毎日40〜60キロを1ヶ月走った方が脚や体への負担は少ないと思う。

それに加えて、コースや時間などが予め決められた中での走りは、旅=移動するために走る今の自分にとってあまり意味のないものになりつつあるのだろう。

いずれ走れなくなる時が来るのかもしれないが、走れる限りは走りたいし、今の「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」が一段落したら、100キロもフルマラソンもガチで走ってみたい。ずいぶん先のことになるだろうが…。

ランナーとしての生涯目標は、100歳で100キロを走ること。

100歳まで生きるのがまずは高いハードル。

長生きしなくては…そのためには体をいたわろう。

ウルトラマラソンの父、海宝さんがいつもこう言っている。

「100キロを走るなんて、これほど体に悪いことはない」(笑)




*この日の写真はこちら



*第3回大会のレポートはこちら

*第2回大会のレポートはこちら

*第1回大会のレポートはこちら

*第0回大会のレポートはこちら






【講演・トークイベント】

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テーマ:マラソン - ジャンル:スポーツ

  1. 2018/04/14(土) 23:48:16|
  2. マラソン・ランニング
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プロフィール

KAY(高繁勝彦)

Author:KAY(高繁勝彦)
走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。

大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。

楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら

二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。

2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。

2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。

2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。 

2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。

2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。

2013年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼は下のメールフォームでお願いします。

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