【4ヶ月の介護体験】
6月12日に某デイサービスでの仕事を始めた。
大阪市内にある派遣会社からの派遣ということで、当初の予定は2ヶ月。
その後、施設での直接雇用もあり得るということだったが、プラス2ヶ月延長で結局4ヶ月、介護士見習いのようなことを経験させてもらった。
介護の知識や経験のないまま、行った先には連日30〜40名ほどのおじいさん・おばあさんがやってくる。
要介護1〜2あたりの方々が中心。杖をついて歩く方、歩行器が必要な方、車椅子の方、介助無しで歩ける方…とさまざま。
平均年齢80代半ば。100歳を超える方々(最高齢104歳)も数名おられる。90歳代で元気ハツラツとしている方も少なくない。
国内を旅していてもよく見かけるのだけれど、今は介護関係のこういった施設が全国のあちこちにあって、そのサービスもバラエティ豊か。
日本が超高齢化社会になっているということをうかがわせる。
施設の朝はまず利用者さんのお迎えから始まる。
リフトが付いた車は車椅子をそのまま乗せることもできるし、シートの昇降機が付いた車なら脚が上がらなくても楽に乗れる。
施設に付いたらうがいと手洗いをしてもらってお茶を出す。
ほぼ毎日リハビリ体操というのを担当させてもらった。
マニュアルはあるのだけれど、いろいろアレンジして、肩コリや腰痛を予防するものや、転倒防止につながるものを中心に、時折雑学のネタを入れながら、椅子に座ったままできる体操を約15分実施。
その後、シナプソロジーという、頭の体操(脳トレ)を15分。
認知症予防のために必要なのは、手先指先を動かすこと。右手と左手で違うことを行うこと。そして、同時に2つ以上のことをやること。
我が両親(二人共今年88歳)を見ているとよく分かるのだけれど、体の機能のみならず、頭(脳)の機能が衰えてくるといろいろな問題が起こってくる。
脳が劣化してくるのか、直近の記憶がなくなることも多いし、会話がちぐはぐになるようなこともある。
そういった状況を防ぐ、あるいは改善するために考えられたのがシナプソロジー。
頭が混乱するようなゲーム的なものをあれこれ考えて、利用者さんが楽しめるものを試行錯誤で取り組んできた。
トイレや入浴の介助もやった。車椅子の構造も教えてもらった。
そもそも、脚が弱った方々に手を添えて歩くこと自体が初めての経験だった。
お風呂は車椅子に乗ったまま、あるいはベッドに寝たまま入浴できる機械浴というのもあるのだ。
この4ヶ月で要介護5の男性をトイレで介助できるようになったし、お風呂に入る介助もできるようになったのは大きな進歩だろう。
あとは、昼食の準備・配膳、カラオケなどのリクリエーションのお手伝い、苑内でイベントがあればその準備や片づけも。
そして、午後4時終了後、家まで車でお送りするところまで。
介護関係の仕事は慢性の人手不足で、介護士の需要が圧倒的に足りないという。
確かに、そうなのかもしれない。
やることも多く、複雑で、専門的な知識を持たないといろいろ大変なことも多い。
特別に研修を受けることもなく、現場でその都度教わりながら、失敗もたくさんしたし、教えられたにもかかわらず同じ失敗をしてしまうことも多々あった。
歳のせいで物覚えが悪く、同じことを何度も聴く場面もあった。
何よりも苑内では安全と健康第一。
途中で、意識がなくなる方もいて看護師さんが駆けつける場面もある。
不安になって家に帰りたいと言い出す方もおられる。
デイサービスが楽しくて帰りたくないという方も逆にいる。
大正生まれの方もいるけれど、昭和一桁生まれが圧倒的に多い。
そして、男性よりも女性の方が数が多い。
お話相手をさせてもらうこともしばしば。
アナログ世代の方々ではあるけれど、パソコンやスマホを使える方もいらっしゃる。
戦争を経験してこられた方々に、何度か戦争中のお話を聞かせてもらった。
その誰もが、「戦争なんて二度と経験したくないし、誰にも経験してもらいたくない」と言われる。
人生の中で酸いも甘いも経験してきて、今はただ穏やかな気持で日々を過ごせることが一番の幸せなのだろう。
穏やかな方々の穏やかな表情を見ているとこちらも平和な気持ちになれる。
学校という現場で教師として仕事をしていた頃には、あまり感じられなかったことかもしれないが、
同じように人と接する仕事であっても、デイサービスでは教えられることが多々あった。それは、多分、50代になった自分に学ぼうという姿勢がきちんとできていたからだろう。
そして、介護というものを単なる仕事としてではなく、人としてどうあるべきか、どう生きていくべきなのかを学ぶ場としてとらえていたからだろう。
介護という仕事を通じて学んだことは数知れない。
歳を取るということは、赤ん坊が成長していろんなことができるようになっていくのと逆の順序で衰えていくということなのかもしれない。
そして、この4ヶ月で学んだ中で、恐らくいちばん大切なことというのは、自分自身もやがてこういった介護を受ける側に回るのであろうということ。
これは、この仕事に関わる以前には全く気づかなかったこと。
たった4ヶ月ではあるけれど、慌ただしさの中にも、得るものは多かったし、命というものの尊さを考えるひとつのきっかけになった。
9月はじめに自転車で転倒事故を起こしてからは、生きて生かされている命ということを切実に感じていた。
生きているがゆえに楽しめるものもあれば苦しめられるものもある。
でも、最終的には、いい人生を送ることこそが我々生きているもののミッション。
楽しもう、一度限りの人生。楽しまなければもったいない。
人生は苦しむには長すぎるけれど、楽しむには短すぎる。…アドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦
*写真はイメージです
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テーマ:介護 - ジャンル:福祉・ボランティア
- 2019/10/10(木) 23:08:12|
- 日常
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