【愛しているから】
Because You Loved Me - Celine Dion
You were my strength when I was weak
You were my voice when I couldn't speak
You were my eyes when I couldn't see
You saw the best there was in me
Lifted me up when I couldn't reach
You gave me faith 'coz you believed
I'm everything I am
Because you loved me
(Because You Loved Me / Celine Dion)
私が弱っている時
あなたは私の力
私が話せない時
あなたは私の声
私が見えない時
あなたは私の瞳
あなたは
私の一番いいところを
見てくれた人
あなたは
私が手を伸ばしても届かない時に
私を引っ張りあげてくれた人
あなたが信じていてくれたから
私は信じる力を手に入れられた
私は今の私以外の何ものでもないの
あなたが私を愛してくれていたから…
(ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー/セリーヌ・ディオン)
*訳詞 by KAY.T
*******
1994年10月、カナダ・ケベックの街に初めて足を踏み入れた。
セリーヌ・ディオンというシンガーがこの街出身であるということもかねてから知っていた。
カナダは東に行けば行くほどフランスの文化が色濃く残る。
街そのものもどこかヨーロピアンで、どことなくごみごみしたトロントやバンクーバーとは明らかに違った空気が流れていた。
高台から近辺の山々を見れば、山全体が紅葉で真っ赤に燃えていた。
頬をかすめる風は冷たかったけれど、沈む夕日がさらに野山を真っ赤に染める、その景色に心打たれた。
この街でルネという女性に恋をした。
旅の終わりにふとしたことで知り合った彼女。
笑顔がチャーミングな28歳のフレンチ・カナディアン。
彼女の話す少し癖のある英語もまた愛らしかった。
セリーヌ・ディオンと同じ中学校に通っていたということを誇らしげに自慢していた。
フランス語を教えて欲しい…。
そうお願いしたら、まずは「アン・ドゥ・トロワ(1・2・3)」から教えてくれた。
ルネ(Rene)の発音だけは何度も練習したけれど、完璧といわれるまでに何十回と繰り返さなければならなかった。
ケベック市内の日本料理店で寿司をごちそうしてあげた。
すぐに箸の持ち方をマスターした彼女は、得意げに「これで私も日本で生活できるわね」と語った。
6歳年下の彼女に、自分の胸の内を伝えようとしたけれど、彼女にはフィアンセがいたのだった。
翌年には結婚するかも知れないと…。
「とても優しくって、頼りになる人」
そうルネが自慢するくらいだから、きっと素敵な男性なのだろう。
「愛してるから結婚するって不思議と思わない?」
彼女は僕に質問する。
「だって…結婚していつか愛が冷めてしまったら、どうするのかしらね」
そうかも知れない。
永遠に続く愛なんてあるのだろうか。
「でもね…愛が冷めた後でも…」
彼女は続けた。
「その人のことを大切だと思えるように努力はするわ。だって…」
だって…?
「だって、彼はこの世に一人しかいない人。その一人を今、私が愛しているから…」
夕焼けに染まるケベックの山々を見つめながら、店内のBGMがちょうどセリーヌ・ディオンに変わった。
"Because you loved me..."
燃えるような紅葉を見つめていたルネの蒼い瞳も、真っ赤に染まる。
旅の終わりにルネという女性に出会った。
カナダ、ケベックの街が、紅葉で真っ赤に染まる季節のできごとだった…。
スポンサーサイト
テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学
- 2008/11/22(土) 19:27:21|
- 回想
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
先生、つい4,5日前からでしょうか。急に冷え込みますね。そちらはもっと前からかな?笑
今年の元旦、熱田神宮で偶然にもお会いしてびっくりでしたが、すぐ、今年もあと1ヵ月と少しになりましたね。最近は、また前年と同じように人身事故が目立ち始め、慌ただしい毎日を送っています。先生も体調があまり良くないようですが、無理と無茶はやめたほうがよろしいかと思います。このタイミングですが、
来年の元旦も走るんですか?
私は大晦日に泊まり勤務で、元旦が泊まりあけですので、また熱田さんに元旦昼頃に参拝しようと思います。
- URL |
- 2008/11/22(土) 21:30:33 |
- SK-2 #-
- [ 編集 ]
SK-2 さん:
名鉄はどうですか?
もう車掌として自信がついたでしょうか?
そうなんです。不調が続いて、年を感じずにはいられません。
それでもこの一つしかない体で、とことんやったるで~という気持ちでいっぱい。
熱田さん、また行かねばなりませんね。
恒例行事になったかのような感がありますが、粘り強さはやはり必要ですね。
- URL |
- 2008/11/22(土) 22:26:41 |
- KAY.T #-
- [ 編集 ]
先生にとったら切ない恋の話ですね
その女性、フィアンセをとても愛してらっしゃたのですね
愛せなくなっても大切に思えるように努力する…
私には中々想像が付かず。恋愛経験の少ないももすけであります
そうそう、体調を崩されてらっしゃるのですか
腰痛、頚椎痛は、私もしょっちゅう悩まされています
仕事柄仕方ないのかもしれませんが、予防できた事に越した事はありません
予防の為に最近ピラティスを始めました
先生は普段運動されていますから、バランスの取れた筋肉が付いておられるでしょうが、私は腹筋、背筋が弱く、腰痛になりやすいです
ちょっと鍛えたいと思います
どうぞ無理の無いようにご自愛ください
走りたいのに走れないのは辛いですね
- URL |
- 2008/11/23(日) 00:04:32 |
- ももすけ #mQop/nM.
- [ 編集 ]
ももすけさん:
恋はいつでも人をワクワクさせてくれるもの。
どんな出会いでも、そこから始まるドラマがあるものですから…。
腰痛は小康状態。
楽しみにしていた来週の伊賀上野シティマラソンもスタートできないかも知れません…。
とほほ…。
- URL |
- 2008/11/23(日) 13:25:32 |
- KAY.T #-
- [ 編集 ]
まだご結婚前のお話ですよね?
切ない想いを経験されたのですね。。。
きっと素敵な女性だったことは想像がつきますが、あの・・KAY.Tさんは白人女性でもOKな方なんですね。
結構、日本人男性は友人ならいいけど恋人や結婚相手としては考えられないなんて言う方が多いので、少なからずびっくりしました(すみません)
私は・・・きっと日本人以外はダメでしょうね・・・
異なった文化の中で生活してきた者同士がうまく融合しながら生活を営むということが、面倒臭がり屋の私には非常に重荷に感じてしまいます。
友人として接していてもイライラ感が募っちゃうことがしばしばなので^^;
でもこんな素敵なお話を読んでいると、ちょっと後悔することもあります・・なんてどういうイミシンなことかいてるんでしょうね、私。。。
いつまでも素敵な思い出のひとコマとして大切に育んで下さいね^^
- URL |
- 2008/11/24(月) 18:54:15 |
- パリジェンヌ #-
- [ 編集 ]
パリジェンヌ さん:
結婚の前年の話でした。
翌年オーストラリアで出会った女性と結婚して、その7年後また独身に戻るわけです。
人種や民族についてのこだわりなんて何一つありませんよ。
同じ地球人なのでコミュニケーションがとれるなら特に問題はないと思います。
過去のロマンス…数え切れないくらいあるのですが、その内本にして出版したいですね(笑)。
- URL |
- 2008/11/24(月) 19:26:01 |
- KAY.T #-
- [ 編集 ]