KAY'S BLOG

日常雑感: つれづれなるままに…

新しい時代の音楽

【新しい時代の音楽】


Perfume - ポリリズム(polyrhythm) 


2008年末、福井県小浜市にある旅館「ふじや」でNHKの紅白歌合戦を見ていた。

懐かしい歌手や、初めて見るグループや歌手、アーティストがいた。

その中で「ポリリズム」という歌を歌うPerfumeという女の子3人のユニットに興味を持った。

小学生時代から活動している広島出身の女の子たち(かしゆか・あ〜ちゃん・のっち)、歌と踊りと、ヴォコーダーを使った不思議な声(音)が特徴的だ。「テクノポップ」というジャンルに位置づけられるらしい。

「可愛くてカッコいい」というイメージ。歌の良し悪しは別として、ごく普通のその辺にいる庶民的な女の子でありながら、3人揃えばPerfumeという元気一杯のユニットとなる。独特で時として複雑な動きで構成されたダンスも面白い。

「繰り返す このポリリズム…」

何度も何度もしつこいくらいに同じメロディが反復され、音のサブリミナル効果ともいうべき強烈な印象をリスナーに与える。「ポリリズム」のPV(プロモーションビデオ)でもそのメロディ・歌詞の反復効果と、急激な画面の切り換えによるフラッシュバック効果で、たった一度聴くだけでも頭に歌と曲がインプットされてしまうのである。

とあるマンションの自室の隣部屋で、子どもがピアノの練習をしていて、いつも同じ曲の同じ部分で同じミスをする。そのために曲の演奏が先に進まない。LP(アナログ)レコードの傷が元で、同じ部分が何度も繰り返される…下手をするとリスナーにいらいら感・じれったさを与えてしまうような、それでいて早くその先が聴きたいと思わせてしまう。これはこれでリスナーの微妙な心理をつかんでいるのだと思う。

Capsuleの中田ヤスタカ氏が全面的にプロデュースしているが、何か今までとは違うものを求めている、既製のものでは飽き足りないと感じているリスナーたちに、新しい息吹を吹き込もうとしているのがよく伝わってくる。

78年にYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)が登場した時も、コンピュータとシンセサイザーで作られた、時代を先取りする今までとは違う音作り(「テクノポップ」という言葉を初めて聞いたのもこの時代だった)にピンと来るものを感じた。当時、私は大学に入学したばかりで、70年末から80年代にかけて、音楽界もバブルの流れに合わせて良き時代を築き始めていたのだ。

彼女たちの音楽にもまた、YMOに通じる何か新しいものがありそうに思う。




YMO−Technopolis PV (テクノポリス)




YMO(Yellow Magic Orchestra) - ライディーン(Rydeen)



それ以前にも実はそういった流れがあったのだ。

シンセサイザーがこの世に誕生した頃、日本では冨田勲がいち早くアニメ(手塚治虫の「ジャングル大帝」や「リボンの騎士」がお馴染み)やドラマのテーマソングや主題歌を担当していたが、電子音楽というジャンルの走りとなった。彼はクラシック音楽のいくつかの作品を、シンセサイザーで合成した音だけでアレンジするということを始めた。オーケストラの全ての楽器の音も一台のシンセサイザーで作りだせるということに、一般大衆は驚いたに違いない。

ただ、彼のスタイルについてはクラシック音楽愛好家の間でも賛否両論があって、「古典というものを愚弄している」というコメントもあれば「前衛的すぎる」というコメントもあったり…。新しいものが登場する時には必ずそういった論争が起こるもの。自分もクラシックでムソルグスキーの「展覧会の絵」やホルストの「惑星」をよく知っていたが、冨田氏のアレンジはすごく衝撃的だったし、時代を先取りするような新しい音に共感を覚えたものだ。



ジャングル大帝−オープニング&エンディング・テーマ(歌は弘田三枝子)



Isao Tomita - Arabesque No1



The Tomita Planets: Part five (Jupiter)


ジャン・ミッシェル・ジャール(父親は映画音楽作曲家のモーリス・ジャール氏)もシンセサイザーの世界ではなじみのあるアーティストだ。


Jean-Michel Jarre OXYGENE _ Play on Gakken Synthesizer SX-150




kraftwerk - trans europe express(クラフトワーク−「ヨーロッパ特急」)

ドイツのクラフトワークも高校時代にハマった。この無機的な音が、聴いていて妙に不安にさせられるのだが、一度聞いたら耳から離れない。YMOも恐らく彼らから何らかのインスピレーションを受けていたに違いない。




Alan Parsons Project-Eye In The Sky(アラン・パーソンズ・プロジェクト−アイ・イン・ザ・スカイ)

ロックでもない単なるポップスでもない。それが新しい。アラン・パーソンズの曲も初めて聴いた時には全身に鳥肌が立ったものだ。


新しいものがいつも良いものとは限らない。ただ、良いものはいつまでも残る。時代を越えて愛されるものとなる。それが伝統と呼ばれるものとなり、固定されたスタイルとしていき続けるのだろう。新しいものは既製の概念を打ち破ることで、さらに新しい伝統となっていく。文化というものが形成される過程とは、かようにいつの時代も変わらないのではなかろうか。何よりも歴史がそれを物語っている。

Perfumeが今から20年後、30年後にどうなっているか、また後世にどのように評価されているか、楽しみでもある。

テーマ:テクノ・エレクトロニカ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/11(日) 14:45:24|
  2. MUSIC
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

私も冨田勲さんのシンセサイザーサウンドを聴いて、シンセサイザー奏者としてデビューしました。
  1. 2009/01/11(日) 15:27:41 |
  2. URL |
  3. シンセサイザー奏者 愛森泉 #mQop/nM.
  4. [ 編集]

シンセサイザー

シンセサイザー奏者 愛森泉さん:

コメントいただきありがとうございます。

そうでしたか。冨田勲氏の功績は大きいのですね。

ぜひまた作品を聴かせてもらいたいものです。
  1. 2009/01/11(日) 15:52:45 |
  2. URL |
  3. KAY.T #-
  4. [ 編集]

どこかで昔出会ったJean-Michel Jarre

こんなシンプルなキカイでコンポーズしていたんですね
おどろき

ありがとう
  1. 2009/01/11(日) 18:47:28 |
  2. URL |
  3. uwanosola #AIa0ehOc
  4. [ 編集]

Jean-Michel Jarre

uwanosolaさん:

もうずいぶん昔になりますね。

ジャン・ミッシェル・ジャールは喜多郎と並んで、凄く壮大なイメージの音楽を作っていたんですね。

上の動画は学研のシンセサイザーを使って実験的に演奏しているだけだと思いますよ。
  1. 2009/01/11(日) 20:30:40 |
  2. URL |
  3. KAY.T #-
  4. [ 編集]

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Author:KAY.T
三重県伊賀市にある某私立高校で英語を教える傍ら男子寮の寮監も勤める。冒険家、マラソンランナー、サイクリスト、旅人、詩人、クリエイター、アーティスト、ナチュラリスト…。クールでハードボイルドな生き方を求める48歳。楽天ブログから移転してきました。メインページ“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。

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